米ファンド、ビットコイン投信を個人投資家に販売開始

米オスプレイ・ファンド(Osprey Fund)は今週、同社のビットコイン・トラスト(ビットコイン派生投資商品)は、店頭(OTC)市場を通じて個人投資家が購入できるようになったと発表した。

オスプレイのグレッグ・キング(Greg King)CEOによると、同ビットコイン・トラストは2年前に組成され、昨年に米証券取引委員会(SEC)に信託登録を申請したという。

北米では、機関投資家がビットコインの現物を保有せずに投資できるファンドの運営が進んでいる。特にSECがビットコインETF(上場投資信託)を承認する前に、市場をリードするグレイスケール・ビットコイン・トラスト(Grayscale Bitcoin Trust:GBTC)に対抗した動きが活発化している。

具体的には、ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)、ブロックファイ(BlockFi)、クロスタワー(CrossTower)などだ。

ETFへの転換も視野

オスプレイ・ファンドの運用資産は約8000万ドル(約85億円)で、適格投資家は直接、個人投資家は店頭(OTC)取引を通じて購入することができる。

GBTCの2%の信託報酬に対して、オスプレイは0.49%。だがカストディ(保管)のようなサービスに0.3%のフィーが必要になる。

「時間の経過と、運用資産が大きくなるにつれて、こうしたコストは減少すると考えている。カストディ(資産の管理)のコストは過去数年で大幅に減少しており、こうした変化が起こると、削減されたコストは直接投資家に流れ込む」(キング氏)

同ファンドの信託報酬はGBTCより低いが、クロスタワーのマスター・フィーダー・ビットコイン・ファンドのような新しいファンドの信託報酬は0.6%の低水準になっている。

オスプレイ・ファンドでは、カストディはフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)が、監査はグラント・ソントン(Grant Thornton)が務める。利用しているインデックスはコインメトリックス(Coin Metrics)提供するものだ。

SECがビットコインETFを承認すれば、オスプレイやGBTCのようなファンドの価値は大きく低下するだろうと、キングCEO。その場合、オスプレイはETFへの「転換を詳細に検討する」という。

|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Richard Lee/Unsplash
|原文:Osprey Fund’s Bitcoin Trust Is Now Available to Retail Investors via OTC