ビットコインの研究・開発に特化した取り組みを複数年にわたって続けているMITメディアラボのデジタル通貨イニシアチブ(DCI:Digital Currency Initiative)が、400万ドル(約4億3000万円)を調達した。
調達先は、ツイッター(Twitter)創業者のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏や、マイクロストラテジー(MicroStrategy)CEOのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏といったDCIの著名な支援者に加えて、フィデリティ・デジタル・アセッツ(Fidelity Digital Assets)をはじめとする企業だ。
DCIの取り組みは、ビットコイン・プロトコルの長期的な健全性に焦点を当てている。
今後4年間、DCIの「Bitcoin Software and Security Effort」はビットコイン・コア(Bitcoin Core)の開発にリソースを投下する。ビットコイン・コアは時価総額が約3兆ドルにのぼるビットコインの基盤となるプログラムのことだ。
発行上限到達後の安定性
ビットコイン・コアの特性に関する長年の疑問の1つは、発行上限の2100万ビットコインに達した後の安定性だ。
2009年の誕生から12年、ビットコインは際立った堅牢性を証明し続けている。ビットコインネットワークがダウンしたのはわずか2回のみ。直近では2013年まで遡る。
メンテナンスを行うコアメンバーがバグを修正し、アップデートを行い、広くプロトコルを監視している。こうした作業は企業が開発者の作業を支援する、あるいは善意に基づく作業として行われている。
メディアラボが行う業務には、この非公式な開発プロセスを支援することが含まれ、「中央集権化につながりかねない開発エコシステムのボトルネックを削減」する。
「ビットコインの用途が広がり、社会により深く組み込まれるにつれて、ネットワークのセキュリティも並行して成長・強化しなければならない。しかし、公益として、この厄介な作業を実行する単一のビットコインの保護者や守護者は存在しない」とDCIは声明に書いている。
DCIは少なくとも2015年からビットコインの開発をサポートしている。
メディアラボは800万ドルの資金調達を目指しており、目標額には達していないが、その取り組みはビットコイン・コミュニティから称賛されている。
|翻訳:石田麻衣子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:MIT’s Digital Currency Initiative Raises $4M for Effort to ‘Harden’ Bitcoin