●ビットコイン(BTC)は10日6時(米東部時間9日16時)時点、5万4369ドル付近で取引され、過去24時間で5.02%の上昇となった。
●24時間の価格レンジは、5万1428.66ドル~5万4813.03ドル(CoinDesk 20のデータ)。
●1時間足チャートは、10時間平均と50時間平均を上回っており、テクニカル分析では強気シグナルとなっている。
ビットコインは、米国債の利回り低下によってテクノロジー株や暗号資産のようなリスク資産への需要が再燃したことで、今年最長となる5日連続の上昇となった。
テクニカルアナリストらは、5万4000ドル付近まで上昇したことでビットコインは2月に記録した最高値5万8000ドル超えに向けて再び上昇し、さらに6万ドルに達する可能性があると予想する。
「ビットコインは、2月下旬に見られた10週移動平均線を上回る短期的な売られ過ぎの状態を経て、回復している。短期的なモメンタムはポジティブ」とフェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)のアナリスト、ケイティ・ストックトン(Katie Stockton)氏はコメントした。
オーケーエックス・インサイツ(OKEx Insights)のマーケットアナリスト、ロビー・リュー(Robbie Liu)氏によると、今週のビットコインの上昇はビットコイン先物市場で予想されていたという。
暗号資産取引所「オーケーエックス(OKEx)」では、ロング/ショート・レシオと言われる重要な指標が7日、今年初めて1.0を下回り、四半期プレミアムは1%を切った。
「強気市場シナリオにおいて、ロング/ショート・レシオが1.0を下回り、四半期プレミアムが非常に小さくなった場合は、弱気の市場心理を反映している可能性があり、しばしば差し迫った価格反転のサインとなる」とリュー氏は述べた。
バイデン政権の経済刺激策が後押し
イギリスの暗号資産取引所「CEX.io」のエグゼクティブ・ディレクター、コンスタンティン・アニシモフ(Konstantin Anissimov)氏は9日のニュースレターに、ビットコインはバイデン政権が提案した19億ドルの新型コロナウイルス対策からも後押しを受けていたと書いている。
一部の投資家は、コロナ対策としての経済刺激策がもたらした「金余り」がインフレを促進した場合、ビットコインは効果的なリスクヘッジとして機能する可能性があると期待している。
ビットコインはこの1年、経済刺激策から恩恵を受けているように見える。
「同じことが起こるだろう。ビットコインは今後数週間あるいは数カ月の間に、史上最高値の5万8000ドルを上回る新たな価格レベルを再テストするだろう」とアニシモフ氏は付け加えた。
9日のビットコイン市場の強気センチメントは、テクノロジー株のパフォーマンスに反映されていた。
テック株はこの数週間、債券利回りの上昇と債券価格の下落に大きな影響を受けていた。理論的には、債券利回りの上昇はリスクの高い資産の魅力を減少させるためだ。ナスダック100指数は、過去数週間にわたって下落を続けた後、9日に上昇した。
ビットコインはまた、債券利回りの上昇に対する投資家の不安が上昇を後押ししたと伝えられている。しかし、データによると、ビットコインと債券の90日相関は過去数カ月にわたって低下を続けており、ビットコインは直近の利回り上昇の間もより強い反発を示した。
「ビットコイン価格は4万3000ドル付近で底を打った。3月3日から4日のナスダックの急落は、ビットコイン下落を引き起こすきっかけにはならなかった」とリュー氏は述べた。
イーサリアムはダウンサイド・ボラティリティに直面
イーサリアム(ETH)は9日、値を上げ、同じく10日6時時点で1836ドル付近で取引され、過去24時間で3.62%の上昇となった。
1時間足チャートでは、イーサリアムは10週移動平均線を上回り、短期的な勢いを増しているとストックトン氏は述べた。だが2月の週足チャートには、買われ過ぎの下降局面が見られ、イーサリアムの反発は「さらなる下落ボラティリティにつながる可能性」を示している。
ストックトン氏は、イーサリアムの潜在的なサポートレベルは1255ドル付近としている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:CoinDesk Bitcoin Price Index
|原文:Market Wrap: Bitcoin Gains for Fifth Day, the Longest Streak This Year