ビットコイン(BTC)は投資先としての柔軟性を証明している。テクノロジー株やSNS株が上昇している時は同様に上昇し、それらが突然下落した時も何とか利益を生み出している。データサイトでバイトツリー(ByteTree)最高投資責任者のチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏が述べた。
その秘密はどこにあるのか?
ウォール街ではこの数週間、リスクオフムードがテック株などへの投資からの撤退を引き起こしてきたが、ビットコインの投資ストーリーは、インフレに対するリスクヘッジとしての可能性を強めた。
「ビットコインはインフレ率の上昇から恩恵を受けるハードアセットであり、現状のマクロ経済環境を享受している。債券利回りの上昇に反映されるリスクオン状況も、ビットコインにとって好ましい。対照的にテック株は、インフレ率が低いリスクオン状況を好み、しばしば『ゴルディロックス』と呼ばれる」とモリス氏は10日、週刊ニュースレターに記した。
※ゴルディロックス(ゴルディロックス相場):景気が過熱もせず、失速もせず、程よい状態にあること。適温相場とも呼ばれる。
過去にはSNS株と強い相関関係
こうした議論は、価格が上がり続けているように思えるビットコイン投資についての多くの疑問に応えるものだ。
ビットコイン価格は2019年には2倍、2020年には4倍になり、今年もすでにほぼ2倍となっている。「ゴールドのデジタル版」、「法定通貨に取って代わるもの」、「コモディティ」、「ピア・ツー・ピア決済の手段」、「分散型ネットワーク」、「単なる投機対象」……。その価値を推定したり、単に本質を捉えようとすることさえ難しい。
モリス氏によると、ビットコインは過去にソーシャルメディア株との驚くほどの相関関係を証明した。そのため、ソーシャルメディア株が下落するなか、ビットコインも影響を受けるかもしれないと考えることは当然だろう。
しかし、投資家が、インフレに対するヘッジとしてのビットコインの可能性を改めて強調する方向へと転換するなか、ビットコインの価格は上昇を続けている。
11日時点で、ビットコインは7日連続で上昇し、今年最長の連続上昇日数となった。
SNS株をはるかに上回るビットコイン
「私は長らく、ビットコインは特にテック株やSNS株とリンクしていると主張してきた。それは驚くべきものでなければ、物議を醸すものでもない。なぜならビットコインはインターネットから生まれたネットワーク効果の状況にある」とモリス氏は述べ、自身に大きな疑問を投げかけた。
「ビットコインはテック株から乖離していくのだろうか? これが最も重要な疑問だ」
投資家は現在、ビットコインをインフレに対するヘッジであり、かつリスク資産と考えている。これはテック株との相関関係を崩す可能性のある2つの要因だ。
「テック株は将来、大きな利益を生むと期待されている。その利益がインフレによって損なわれてしまえば、資金面ではもちろん、面白くない状況になる。(ビットコインは)インフレ率の上昇から恩恵を受ける。また債券利回りの上昇に反映されるリスクオン状況もビットコインには好ましい」とモリス氏は述べた。
|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Koyfin
|原文:Bitcoin Leaves Social Media Stocks ‘in the Dust’ With Market’s Inflation Pivot