●ビットコイン(BTC)は3月11日16時(米東部時間=日本時間12日6時)時点、5万7572.97ドル付近で取引され、過去24時間で2.11%上昇した。
●過去24時間の価格レンジは5万4323.61ドル~5万7632.81ドル(CoinDesk 20のデータ)
●1時間足チャートで10時間平均と50時間平均を上回っており、テクニカル分析では強気シグナルとなっている。
ビットコイン市場は強気センチメントを強めているが、重要な要素の1つがほとんど抜けた歯のようになっている。すなわち取引高が低下している。
11日のビットコイン価格は、株式市場におけるリスクテイク意欲が再燃し、株価が最高値を更新するなか、連続上昇日数を7日に伸ばした。
要因は、10日に発表された2月のインフレ率が予想よりも低かったことで、消費者需要の急上昇が物価を高騰させるのではないかとの投資家の懸念が解消されたことだ。
「昨日のインフレ率の発表後、世界市場のリスク心理は上昇しており、ビットコイン市場にさらなる需要をもたらしている」とLMAX Digitalの暗号資産ストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は述べる。
大きな注意点は、今回の強気相場のなかでスポット市場の取引高が低迷を続けていることだ。CoinDeskが追跡している8つの大手暗号資産取引所の取引高は2週間以上、比較的横ばい状態が続いている。
「2月下旬に価格が4万4000ドル付近まで下がった後、今はそれほど多くの売り手がいない。買い手はいるが、買いはそれほど強くない。全体としては上昇圧力となっている」(クルーガー氏)
クルーガー氏は、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)の会議まで、投資家は短期的には慎重な姿勢を保つべきと警告した。
ビットコインはインフレヘッジであり、リスク資産と捉える市場参加者がいるが、ビットコイン価格はこの1週間、株式市場の動きには無関心かのように上昇を続けている。
「ビットコインは今はまだ株式市場の下落傾向に敏感に反応すると考えている。なぜなら、まだ成熟過程にある新しい資産だからだ。現時点ではまだリスク相関性が非常に高い性質を持っている」(クルーガー氏)
イーサリアムとビットコインとの相関性
イーサリアム(ETH)は11日16時(米東部時間=日本時間12日6時)時点、1812.13ドル付近で取引され、過去24時間で0.26%上昇した。
ビットコインとイーサリアムの相関関係は、2月21日から約2週間にわたって上昇した後、再び下落傾向にある。1年前と比較すると、2つの暗号資産の相関関係はやや弱くなり、約0.94から約0.74に低下している。
暗号資産決済プラットフォームWirexのYves Renno氏は、暗号資産市場全体におけるビットコインのシェアはここ数日上昇しているものの、市場ドミナンス(暗号資産全体の時価総額に占めるビットコインの時価総額)は現在62.3%で、1月の約72%から低下していると指摘した。
「アルトコインのトレーダーは利益を上げており、機関投資家の現金は依然として主にビットコインに流れている」と同氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:CoinDesk’s Bitcoin Price Index
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rallies Near $58K, Stocks Soar to Record Highs