画像や動画の編集・加工アプリを運営するMeitu(美図) が今月、ビットコインとイーサリアムを一資産として購入し、話題を集めた。
同社は「モバイルインターネットがPCを使ったインターネットをディスラプト(創造的破壊)」したように、ブロックチェーンは金融とテクノロジーをディスラプトする可能性があると述べる。
Meituは特にイーサリアムを高く評価しており、プロジェクトやプロトコルに投資したり、イーサリアムベースのアプリケーションの開発を進めていくとされている。しかし、検討すべきはMeituがビットコインに投資した理由だ。
ビットコインについての人々の総意
Meituはこの数カ月でビットコインの保有を開始した上場企業の1つだが、同社ビットコインを「価値保存の代替的な手段」と捉えている。「世界中の中央銀行が法定通貨の供給量を増やしている」なか、ビットコインはその価値を維持する可能性があると、Meituは説明する。
供給量の上限やポータビリティ、代替可能性などのユニーク性はあるが、「ビットコインの価格は主に投資家と一般の人たちの総意によって牽引される将来の需要の作用だ」。つまり、ビットコインが価値保存の手段として優れている理由は、他の多くがそう考えているからだ。
資産運用会社や保険会社、上場企業などの比較的に「保守的な」企業が、ビットコイン決済に対応し、資産としてのビットコインを保有する方向に動いていることをMeitu経営幹部は認識している。
ビットコイン投資の大きな特徴
ビットコインを「デジタルゴールド」と表すことはよくあることだが、Meituの発表にあるように、それはインターネット・ミーム(ネット上で話題となり、拡散した画像など)の域を越えないのかもしれない。
ビットコインはその価値を保っている。ますます多くの人たちが価値があると信じている。ブルームバーグのトレーシー・アロウェイ(Tracy Alloway)氏がかつて主張したとおり、ビットコインはあなたが望むもの何にでもなる「完璧なポストモダン金融資産」だ。
CoinDeskのデータ・インデックス部門でディレクターを務めるガレン・ムーア(Galen Moore)は、ビットコインはデジタルゴールドよりも、100ドル紙幣に似ていると述べた。
オンラインコマースのために作られたビットコインは、価値保存の手段であると同時に、ほとんど使われることのない「無記名証券」だ。「ビットコインは必ずしも使われるから価値があるわけではなく、使うことができるから価値がある」とムーアは書いている。
Meituがビットコインに投資する理由は重要だろうか? そうではない。人がどう考えようと、ビットコインにとっては同じこと。だが、Meituの声明はミームが売上や利益と同じくらい意味を持つ、ビットコイン投資の大きな特徴を表している。
サトシ・ナカモトが言ったように「流行した時に備えて、ある程度保有しておくと良いのかもしれない」。
|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Meits
|原文:The Node: Bitcoin Is ‘Digital Gold’ Because People Say It Is