モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント部門は3月17日、暗号資産が投資可能な資産クラスになるための「レベルに達しつつある」とするレポートを発表した。
モルガン・スタンレーはレポートの中で、「規制フレームワークの強化や流動性の深化、商品供給、投資家(特に機関投資家)の関心の高まりは一つになった。(中略)同時に現金・株式・債券などの伝統的な分散投資に対する課題は高まっている」と述べた。
「暗号資産を資産クラスとする我々のアプローチは、特定の暗号資産の保有を推奨するものではない。むしろ、暗号資産を直接保有することは、プライベートなクローズド・ブローカーであれ、あるいはアプリのサービスを通じたものであれ、発展途上にある。低コストでの最適執行、一元的なクリアリング(清算・決済)、正確でタイムリーな市場データ、透明性の高い統合されたカストディサービスなどの実現可能性について、まだ多くの疑問が残っているだろう」(同レポート)
「2020年の新型コロナウイルス感染拡大によって、適格投資家のための金融投資の選択肢として、暗号資産の実行可能性は固まってきた」
モルガン・スタンレーは、株式60%と債券40%で構成される伝統的なポートフォリオに、2.5%のビットコイン投資を加え、毎月見直しを行った場合のシミュレーションを行っている。その結果、過去7年間のうち5年間で、ボラティリティを大きく上昇させることなく、年率換算のリターンは1.64%の改善となった。
また、同レポートの発表とは別に、CNBCは今週、モルガン・スタンレーがビットコイン(BTC)に投資する3つのファンドの提供を開始すると報じた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
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|原文:Morgan Stanley Sees Cryptocurrencies on Path to Investable Asset Class