米国証券取引委員会(SEC)が、投資運用会社のVanEckが申請しているビットコイン上場投資信託(ETF)の審査を開始した。
SECは15日、VanEckが提出した申請書類「19b-4 Form」を正式に受理し、45日間の審査プロセスをスタートさせた。SECは同期間で、申請を承認、却下、審査期間の延長のいずれかの仮決定を行う。
承認されれば、米国では初のビットコインETFが誕生する。米国の暗号資産市場では、ビットコインETFに対する一定の需要があるとされてきた。しかし、SECはこれまで、相場操縦の可能性などの複数の懸念点を指摘し、提出された全ての申請を退けてきた。
SECの承認は時間の問題か
一方、バイデン政権下のSECが、申請を承認するのは時間の問題とする見方は、クリプト市場から頻繁に聞かれるようになってきた。その理由は、SEC委員長に指名されたゲーリー・ゲンスラー氏の暗号資産に対するこれまでのスタンスにある。
ゲンスラー氏は、オバマ政権で米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長を務めた。また同氏は、マサチューセッツ工科大学で(MIT)ブロックチェーンを教えるなど、暗号資産の分野に精通していると言われる。
VanEckの他に、米投資会社のヴァルキリーインベストメントが1月に、子会社を通じてビットコインETFをニューヨーク証券取引所に上場する計画を発表し、SECに申請を提出。米ウィズダムツリー・インベストメンツは今月、計画しているビットコインETFをSECに申請した。
北米市場では、カナダが米国よりも先にビットコインETFの申請を承認し、複数のビットコインETFがすでにトロント証券取引所に上場されている。
|編集:佐藤茂
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|原文:SEC Publishes VanEck’s Bitcoin ETF Application, Kicking Off Decision Clock