フェイスブックに元コインベースのベテラン社員2人が入社、少なくとも1人はフェイスブックのブロックチェーンプロジェクトに携わっている。
ジェフ・カートライト(Jeff Cartwright)氏は、コインベースで5年近く、さまざまなコンプライアンス業務に携わった後、2019年3月に退社。同氏のリンクトインのプロフィールによると、5月、フェイスブックにポリシー&コンプライアンス・マネージャーとして入社した。
プロフィールでは同氏がどの程度、同社のブロックチェーン・プロジェクトに関わるのかは分からない。フェイスブックはステーブルコインの開発に取り組んでいるようだが詳細は明らかになっていない。
13日(現地時間)夕方、カートライト氏はフェイスブックでの役割については何も言えないとCoinDeskに語った。フェイスブックの広報担当者エルカ・ルックス(Elka Looks)氏は、フェイスブックは人事についてはコメントしないと述べた。
一方、ミクヒール・ムシャラフィ(Mikheil Moucharrafi)氏も3年以上勤めたコインベースを4月に退社し、5月にブロックチェーン・コンプライアンス・オフィサーとしてフェイスブックに入社した。
弁護士のカートライト氏は、アメリカン・エクスプレス、ゴールドマン・サックスを経て、4大会計事務所の1つ、KPMGでマネーロンダリング防止コンサルタントを務めた後、2014年にコインベースに入社した。
同氏は最初の3年、マネーロンダリング防止および銀行秘密法(Bank Secrecy Act:BSA)のコンプライアンス業務に携わり、2017年3月に内部監査の責任者に昇進、2018年12月には規制リスクと検査のディレクターとなった。
ムシャラフィ氏も似たような経歴を持っている。マネーロンダリング防止と銀行秘密法の調査員として働き、コインデスクでコンプライアンス・マネジャー、リスク・マネージャーを務めた。
フェイスブックの仮想通貨
法律と規制の専門家である2人の入社は、フェイスブックの仮想通貨プロジェクトに政府が関心を示し始めたことを同社が重視していることの現れだろう。
2019年5月9日、上院銀行委員会はフェイスブック創業者兼CEO(最高経営責任者)のマーク・ザッカーバーグ氏に宛てた書簡で、仮想通貨に関わるプロジェクトの詳細、特に消費者のプライバシーに関する詳細を共有するよう求めた。
「リブラ(Libra)」と呼ばれるフェイスブックの仮想通貨の取り組みについてはほとんど分かっていない。フェイスブックは2018年、秘密裏にブロックチェーンのリサーチチームを立ち上げた。元コインベース幹部のデービッド・マーカス(David Marcus)氏がチームを率いている。
以来、フェイスブックはリサーチチームのための採用活動を強化。マサチューセッツ工科大学(MIT)で仮想通貨とブロックチェーンの研究を続けてきたクリスチャン・カタリーニ(Christian Catalini)氏のような大物もプロジェクトに加わった。
報道によると、フェイスブックは今後10億ドル規模の資金を調達し、ステーブルコインの担保とする方向で動いているようだ。
協力:Anna Baydakova
翻訳:Masaru Yamazaki
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Facebook image via Shutterstock.
原文:Facebook Hires Two of Coinbase’s Former Compliance Manager