三井住友信託銀行が、ブロックチェーンを活用してデジタル証券を発行・管理する取り組みを本格化させる。
三井住友信託は29日、証券化商品を裏付けとする受益証券をデジタル証券(セキュリティトークン=ST)に転換し、米フィンテックのセキュリタイズ(Securitize)が開発したデジタル資産の発行プラットフォーム上で試験的に発行したと発表した。今回の取り組みで発行されたセキュリティトークンには、格付け投資情報センターが「a-1」の格付を付与した。
債券や株式、不動産などの資産を裏付けとするデジタル証券をめぐっては、SBIホールディングスや野村ホールディングス、みずほフィナンシャル、三菱UFJフィナンシャルなどがそれぞれの研究開発を進めてきている。
セキュリティトークンの発行を通じて資金を調達する方法は、セキュリティトークンオファリング(STO)と呼ばれ、次世代の資金調達手法として注目を集めている。ブロックチェーン上で発行・流通するデジタル証券(ST)が普及すれば、小口での売買が可能になり、機関投資家に限らず多くの個人投資家も売買できるようになる。
三井住友信託は今後、STO市場の発展に向け、STの発行と管理についての研究開発を進めていく。また、同社は、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)の社会的テーマと投資家をつなぐ方法としてSTを活用する方法を検討する。
|編集:佐藤茂
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