暗号資産は「預金に取って代わる」──バイナンスがロシアで調査

暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するバイナンスは、ロシアおよびCIS(独立国家共同体)のユーザーを対象に暗号資産についての調査を行った。バイナンスは、同地域で高い人気を誇っている。

調査の回答数は2万3133。結果からは、暗号資産の普及で世界をリードするこの地域の平均的なユーザーの姿を読み取ることができる。調査結果のキーポイントとまとめた。

暗号資産のイメージ

・79.9%のユーザーは調査時点、実際に暗号資産を所有している。

・58.2%は、暗号資産が将来のある時点で、お金を貯蓄する方法として銀行預金に取って代わることができると考えている。

・77.5%は、暗号資産が経済に良い影響を与えると考えている。

・約40%は、他の投資(株式、投資信託、不動産投資など)を行っていない。

・71.5%は、暗号資産を利用して商品やサービスの決済を行うことが重要と述べた。実際に経験したことがあると回答したのは、25.7%にとどまった。

暗号資産の保有状況

・3.5%が熱心なビットコイン保有者で、暗号資産投資のすべてをビットコインで保有している。

・37.7%は、アルトコインのみを保有。

・34.5%は、暗号資産投資の1%~20%をビットコインで保有。

・61%は、2020年に保有する暗号資産から利益を得た。

・72%は、2021年にさらに多くの暗号資産を購入する予定。

・半数以上は、暗号資産をマイニングしているか、ステーキングしている。

暗号資産に投資する理由

・37.7%は、2020年の価格上昇を理由にあげた。

・25.3%は、従来の金融システムを信用せず、リスクヘッジとして投資。

・18.5%は、銀行預金の金利が魅力的とは言えないことを理由にあげた。

・9.3%は、法定通貨の価値の低下を理由にあげた。

ビットコイン価格の予想

・ほとんどのユーザーは、5万ドル〜6万ドルの価格帯にとどまるか、あるいは2021年に上昇すると考えている。

・29%は、4万ドル以下になると予想。

DeFi(分散型金融)について

・DeFi(分散型金融)を知っている人は、3分の1。

・DeFiに関係した暗号資産を保有している人は、15%。

ユーザー像

・居住地域:83%はロシア、12.8%はウクライナ、1%はカザフスタン、他の国はそれ以下の少数。

・性別:男性92.8%、女性7.3%。

・年齢:35歳未満は58%、25歳未満は20%。

・学歴・収入:半数以上が大卒。給与所得を得ており、収入は平均的と考えている。

・ほとんどの人は、給与(59.3%)もしくは貯金(27.4%)を使って暗号資産を購入。

・ローンを組んだり、友人や家族からお金を借りたり、暗号資産投資のために不動産を売却した人も存在する。

|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Over 50% of Binance’s Russian Customers Believe Crypto Can Replace Bank Deposits