暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する米コインベース(Coinbase)は6日、2021年1月〜3月期の決算報告を行い、事業と収益の主要データを開示した。
14日の米ナスダック上場に先駆けて提出された四半期決算によると、コインベースの月間取引ユーザー数は前四半期から117%増加。同四半期の売上高は18億ドルを計上し、純利益は約7億3000万ドルから8億ドルに増加した。
・アクティブユーザーは2020年第4四半期の280万人から610万人。
・認証済みユーザー(コインベースのアカウントを持つ人の総数)は2020年末の4300万人から、2021年第1四半期末(3月末)には5600万人に。
・第1四半期の取引高は3350億ドルを超えた(2020年通期の取引高は1930億ドル)。
・取引プラットフォームにおける総資産額は900億ドルから2230億ドルに増加し、対前四半期比で約150%増となった。
2230億ドルの資産のうち約1220億ドルは機関投資家からの資産であり、同社が現在の強気相場において中心的存在として確固たる地位を築いていることを示している。
コインベースは、機関投資家顧客を対象とするプライムブローカレッジのサービスを強化している。買収したブロックチェーン企業バイソン・トレールズ(Bison Trails)を活用して、「Amazon Web Services for crypto(暗号資産のためのAWS)」と呼ぶものを構築していく。
一方、個人投資家向けには、取り扱う暗号資産を増やし、DeFi(分散型金融)サービスも提供していくと、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは決算報告で述べた。
今後の3つの財務シナリオ
また、同社は2021年度通期における3つの財務シナリオを提示した。
「高」業績シナリオ(暗号資産の時価総額が増加した場合)では、月間平均ユーザー数は700万人、「中」業績シナリオ(暗号資産の時価総額が横ばいの場合)では550万人、「低」業績シナリオ(市場が2018年の弱気相場のようになった場合)では400万人となる。
「過去2年間、(月間取引ユーザー)1人あたりの平均純収益は34ドル〜45ドルで推移した」と同社最高財務責任者(CFO)のアレシア・ハース(Alesia Haas)氏は決算報告で述べた。2021年、この数字は記録を更新すると同氏は予想している。
株式アナリストは、同取引所のユーザー指標に特に注目していた。
「第1四半期は月間ユーザー数が2倍になり、収益は前四半期の3倍になっている。ユーザー1人あたりの取引高が増加し、ビットコイン価格が上昇したことがけん引したと言える」とサスケハナ・インターナショナル・グループ(SIG)のジェームズ・フリードマン(James Friedman)氏は決算報告の後、米CoinDeskの取材でコメントした。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:コインベース共同創業者兼CEOのブライアン・アームストロング氏
|原文:Riding Bitcoin Surge, Coinbase Active Users Grew by 117% in Q1 2021; Revenue Tops $1.8B