過去に起きた強気相場を基にすると、ビットコイン(BTC)は今年中に現在の56,000ドル付近から40万ドルに上昇する可能性があるという。米ブルームバーグが報告書にまとめた。
「グラフを見ると、ビットコインの価格は2013年に約55倍、2017年に約15倍に上昇した時と似た動きをしている。2021年も同様の曲線をたどれば、40万ドルに近づくことになる」とブルームバーグ・クリプト(Bloomberg Crypto)は今週発表したマンスリーレポートで指摘した。
過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するわけではない。今回の強気相場は2020年5月にビットコインが半減期を迎えたことによるものだ(半減期とは、約4年ごとにビットコインの新規発行ペースが半減することを言う)。
ビットコインは、2012年11月と2016年7月の半減期の後も、12カ月〜18カ月で驚異的に上昇した。
「半減期の翌年となる2021年は、2017年と2013年との共通点があり、ボラティリティも低下している」とブルームバーグのビットコインアナリストは説明する。さらに2017年12月のピークには、180日ボラティリティが過去最低となった2015年10月の平均価格から50倍になったという。
アナリストによると、2020年9月の長期ボラティリティ指数は概ね過去最低レベルになっているという。同月のビットコインの平均価格は約11,000ドルだった。
リスクオフ資産とデジタルゴールド
一部には、債券利回りの急速な上昇がゴールドやビットコインのインフレヘッジとしての魅力を弱め、価格を押し下げるという見方がある。
一方、ブルームバーグのアナリストは、ビットコインは利回りが上昇する環境でも回復力を比較的持ち続けると見ている。
「実質利回りの上昇はゴールド価格にとっては逆風だが、まだ価格発見段階にあるビットコインにとってはそれほどでもない。ゴールドはビットコインとの戦いの最中にある。ビットコインは6%〜8%の利回りを稼ぐことができ、デジタルにおけるグローバルな準備資産になる道を順調に進んでいる」
米国10年債の利回りが12カ月ぶりの高水準である1.5%超まで上昇した後、ビットコインは2月最終週に20%下落した。利回りはその後も上昇を続け、直近では14カ月ぶりの高水準の1.77%となった。一方、ビットコイン市場は堅調に推移している。
またレポートは、機関投資家に人気のグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)が最近、ビットコインの現物価格を下回る水準で取引されていることは、米国でのビットコインETF(上場投資信託)承認に向けた期待の高まりの結果としている。GBTCは依然として、これまでバイヤーを引きつけてきた50日移動平均支持線を上回る水準で取引されている。
|翻訳:新井朝子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Bloomberg Crypto
|原文Bloomberg Foresees Bitcoin Rallying to $400K This Year