ビットコイン(BTC)のマイナーが、ビットコインを保有する動きを強めている。相場を押し上げる兆候の1つとして、市場関係者が注目している。
グラスノード(Glassnode)のマイナーポジションチェンジ指標(マイナーのアドレスが保有するビットコインの30日間の変化)はプラスに転じ、マイナーが再びビットコイン保有を強化していることを示した。
グラスノードのデータによると、マイナーウォレットのビットコイン保有残高はこの2週間で4435ビットコイン増加し、180万6000ビットコインとなった。
「マイナーは今後の事業運営に必要な現金を確保しているため、流動資産を積み上げている。ビットコインが2万ドル〜4万ドルのレンジで取引されていた際に一部を現金化しながら、価格上昇を見込んでビットコインを保有している」と、香港に拠点を置くバベル・ファイナンス(Babel Finance)のフレックス・ヤン(Flex Yang)CEOは述べた。
マイナーは主に現金で事業を運営し、支払いのためにビットコインを現金化する。だが、マイナーのビットコイン売却ペースは、マイニングにかかわる要因とビットコインの価格予想によって変化する。
3月31日頃からマイナーがビットコイン保有を再び強化する以前、マイナーポジションチェンジ指標は約4カ月間、マイナスになっていた。マイナーがビットコイン保有を減らし、利益確定をしていたためだ。
マイナーの動きがネットワーク全体に占める割合は小さいが、グラスノードのラファエル・シュルツェクラフト(Rafael Schultze-Kraft)CEOがツイートしたように、マイナーによるビットコイン保有は、企業株式におけるプロモーター(支配株主)保有のようなもので、プラスサインと考えられている。
「マイナーの支出パターンはビットコイン市場における最も強気派の心理についてのヒントを与えてくれる」とグラスノードは4月5日付ニュースレターに記した。
価格への影響力を持つ大口投資家、いわゆる「クジラ」もビットコインの売却を止めている。
クジラの数(1000ビットコイン以上を保有する暗号資産ウォレットのアドレス数)は3月31日以来、安定して2000を上回っている。
クジラの数は3月31日までの約2カ月間で2230から2004まで減少した。その理由は主に四半期末のリバランス(資産の再配分)とブロックチェーンアナリストのウィリー・ウー(Willy Woo)氏は述べた。
だがこうしたデータ上のプラスの動きがビットコインの新たな上昇につながるかどうかはまだわからない。
ビットコインは現状、狭いレンジでの動きが続いている。4月はこれまで、ビットコインが上昇する月になっており、ここからのブレイクアウトがあれば、力強い上昇が期待できるだろう。
|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:ビットコインマイニング機器(Media Whalestock/Shutterstock)
|原文:Bitcoin Miners Are Again Stacking Coins in a Positive Sign for the Market