通貨危機に見舞われているトルコが、モノやサービスの購入決済に暗号資産(仮想通貨)の利用を禁止する措置を決めた。ビットコインの価格は16日、下落した。
トルコ政府は16日、決済手段としての暗号資産の使用を4月30日から禁止すると発表。ビットコインは同日、6万3000ドル台から6万700ドルに下落した。
暗号資産の決済利用を禁じる措置を講じる国はトルコに限らず、モロッコはすでに同様の禁止令を発令している。インドも、暗号資産の保有や利用を規制する法律を検討しており、ビットコイン価格への下方圧力が強まりそうだ。
トルコの中央銀行は同日の発表文で、決済における暗号資産の利用は、双方(支払者と受領者)に回収不能の損失をもたらす可能性があると説明した。
高いインフレ率と通貨危機に直面する国では、自国通貨をビットコインに換えて、保有する市民が増加している。トルコのインフレ率は今月、16%を超え、トルコ・リラは年初から10%下落した。アラブニュースの報道によると、トルコ政府は2月に1170万トンもの金(ゴールド)を売却したという。
トルコ政府はビットコインの決済利用を禁止したが、暗号資産の売買は引き続き可能だ。同国民はインフレヘッジの一手段として、ビットコインを購入・保有することはできる。しかし、暗号資産の交換業者にとっては、今回の決済利用の禁止措置により、一部の事業運営が滞る恐れがある。
|編集:佐藤茂
|トップ画像:トルコ・イスタンブールの両替所(Shutterstock)
|原文:Bitcoin Price Drops as Turkey Bans Crypto Payments Amid Currency Crisis