ロイターの報道によると、フェイスブック(Facebook)は、2019年5月2日(現地時間)にスイス・ジュネーブで、「リブラ・ネットワークス(Libra Networks)」という名の会社を登記した。フェイスブックは、初めてのブロックチェーン技術事業となる仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」を着々と進めている。新会社設立はこの動きと一致する。
登記時に提出された書類によると、リブラ・ネットワークスはフェイスブック・グローバル・ホールディングス(Facebook Global Holdings)を株主とし、「金融・テクノロジーサービスを提供し、関連するハードウェアやソフトウェアを開発する」とロイターは報じた。
同社の仮想通貨進出の最新の動きとしては、今年5月に、元コインベースのコンプライアンス・マネージャーが2人入社している。
米上院はリブラ・プロジェクトに懸念を示している。米上院銀行委員会は2019年5月9日、フェイスブック創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏に宛てた書簡で、同仮想通貨の目的およびそれが及ぼす影響を明確にするよう求めた。
書簡には以下のように記されていた。
「フェイスブックが自社のソーシャルネットワークを使い、仮想通貨をベースとした決済システムを立ち上げるために、複数の金融機関やeコマース事業者の参加を集めているとウォール・ストリート・ジャーナルが最近報じた。フェイスブックは昨年、米国の金融機関に対して消費者の金融情報を共有するよう要求した。専門家は、フェイスブックによる広範囲に及ぶ情報収集活動に関して疑問を提起しており、収集されたデータの利用目的が公正信用報告法(FCRA)の対象になるのではないかと疑問視している」
フェイスブックは、この新しい会社に関するコメントを拒否した。報道によると、フェイスブックは今後10億ドル規模の資金を調達し、ステーブルコインの担保とする方向で動いているようだ。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
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原文:Facebook Registers Secretive ‘Libra’ Cryptocurrency Firm in Switzerland