事業会社に暗号資産の取引インフラやカストディ(保管・管理)サービスなどを提供するPaxosが、新たに3億ドル(約330億円)の資金を調達、同社の評価額は24億ドル(約2620億円)に増加した。
Paxosは29日(米東部時間)、シリーズDの調達ラウンドが完了したと発表。ラウンドはヘルスケアとフィンテック領域を中心に投資するベンチャーキャピタルのオーク(Oak)が主導し、ペイパル・ベンチャーズ(PayPal Ventures)やデクラレーション・パートナーズ(Declaration Partners)などの既存株主も参加した。
2012年に創業したPaxosは、決済大手のペイパルや金融機関のクレディスイスやソシエテジェネラルなどの事業会社が暗号資産に関連するサービスを始めるためのインフラを提供している。同社は昨年後半に、1億4200万ドルの資金調達ラウンド(シリーズC)を実施した。
ペイパルは昨年後半に暗号資産の売買サービスを米国市場で始めたが、Paxosの技術基盤が同サービスの開発に使われている。また、ペイパルは同社傘下の送金アプリ「ベンモ(Venmo)」においても暗号資産の売買と保有ができる機能を追加している。
欧米の金融機関が暗号資産に関連するサービスを開始・拡充するなか、Paxosなどの企業が開発する取引やカストディなどの基盤技術は、さらなる需要の拡大が予想される。
Paxosの共同創業者兼CEOのチャールズ・カスカリラ(Charles Cascarilla)氏によると、事業者からの需要は引き続き強く、同社は調達した資金を既存事業の拡大に充てる。
カスカリラCEOは、Paxosが今後短期間で株式公開を行う計画はないとコメントした。現在、Paxosには175名の社員が働いている。
|編集:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock
|原文:Paxos Raises $300M, Joins Crypto Unicorn Club at $2.4B Valuation