6日、イーサリアムの競合と言われる暗号資産が大きく上昇、イーサリアム(ETH)も3600ドルを超え、史上最高値を更新した。
●イーサリアムは協定世界時(UTC)6日21時(日本時間7日6時)現在(以下略)、3,483ドル前後で取引され、過去24時間で0.28%上昇。
●24時間のレンジ:3,397~3,607ドル(CoinDesk 20のデータ)。
●イーサリアムクラシック(ETC)は、148ドル前後で取引され、過去24時間で50%上昇。
●イオス(EOS)は、12.29ドル前後で取引され、過去24時間で48%上昇。
●カルダノ(Cardano/ADA)は、1.59ドル前後で取引され、過去24時間で9%上昇。
●ビットコイン(BTC)は、56,161ドル前後で取引され、過去24時間で1.6%下落。
●24時間のレンジ:56,586ドル~58,266ドル(CoinDesk 20のデータ)。
6日、大きく上昇したのは、イーサリアムの重要な属性(主にプログラマビリティ)のリプレースを狙うブロックチェーンの暗号資産、いわゆる「イーサリアム・キラー」だった。
過去1カ月でイーサリアムクラシック(ETC)は1250%以上、カルダノ(ADA)は238%、イーオス(EOS)は42%上昇している(TradingViewが提供した暗号資産取引所クラーケンのデータ)。
大手総合金融機関INGが最新レポートで、DeFi(分散型金融)の概念を支持したことも、これらの暗号資産の上昇を後押ししている。
イーサリアムの上昇でイーサリアム・キラーにも注目
「イーサリアムの最近の強気の動きは、イーサリアムの競合プロジェクトに光を当てている。それらは1つのカテゴリー、いわゆる『セクター』としてまとめることができる」とトレーディング会社ExoAlphaのエリー・ル・レスト(Elie Le Rest)氏は述べた。
また6日、ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は、個人投資家は「バリューコイン」を探していると伝えた。イーサリアムクラシック(ETC)はもはやその条件には当てはまらず、CoinDesk 20のデータによると現在は130ドル前後で取引されている。カルダノ(ADA)は1.63ドル前後、イオス(EOS)は12ドル強となっている。
「現状、人々の関心はビットコインからアルトコインに移っている。リターンを求めて、投資対象をさらに広げようとしている」と暗号資産マーケットメーカーGSRのシアラン・ネイラン(Ciaran Neilan)氏は指摘した。
ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に占めるビットコインの時価総額の割合)は、ビットコインへの関心が低下していることを示す1つのサインだ。当記事執筆時点、ビットコインのドミナンスは約45%で、2018年7月以来の低水準となっている(TradingViewのデータ)。
前回の強気相場である2018年はじめには、投資家がビットコインで得た利益をアルトコインに回したため、ビットコインのドミナンスは35%という史上最低の水準まで落ち込んだ。今年はじめ、ビットコインのドミナンスは72%と高水準になっていた。
一方、GSRのネイラン氏は、ドミナンスは回復する可能性が高いと述べた。「いつも通りの結末になるだろう。ビットコインは上昇し、再び話題を集める」
機関投資家の関心を集めるイーサリアム
CoinDesk 20のデータによると、イーサリアム(ETH)は、協定世界時(UTC)6日17時30分(日本時間7日2時30分)頃に3607ドルの史上最高値を記録した。
欧州投資銀行(EIB)がイーサリアムブロックチェーンを利用して1億2100万ドルのデジタル債を発行したことも、イーサリアムのエコシステムに対する機関投資家の関心を表すことになった。
イーサリアムのデリバティブ市場では、イーサリアム先物が100億ドルに達し、史上最高額となっている。熟練した投資家が市場に参入し、より複雑な投資商品を必要としている。過去1カ月でイーサリアム先物の建玉は大手取引所で47%上昇した。
「まだ始まったばかりだと考えている。イーサリアム市場は、ビットコインと比べてほぼ無限に広がっている」と投資会社Ether Capitalのステファン・クーリカン(Stefan Coolican)氏は米CoinDeskに語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: ‘Ethereum Killers’ Pop as ING Report Highlights Ethereum Over Bitcoin