【市場動向】ステラが上昇、“アルトシーズン”続く──イーサは最高値更新

●イーサリアム(ETH)は協定世界時(UTC)10日21時(日本時間11日6時)現在(以下同)、4016ドル前後で取引され、過去24時間で4.5%上昇。

●イーサリアムの24時間レンジ:3884ドル~4200ドル(CoinDesk 20のデータ)。

●ステラ(XLM)は、0.68ドル前後で取引され、過去24時間で10.8%上昇。

●ビットコイン(BTC)は、55,685ドル前後で取引され、過去24時間で3%下落。

●ビットコインの24時間レンジ:57,266ドル~59,442ドル(CoinDesk 20のデータ)。

アルトコインシーズンけん引するステラ

ステラの年初からのパフォーマンス
出典 : TradingView

10日、CoinDesk 20の中で最も大きく上昇したのは、ステラ(XLM)だった。当記事執筆時点、ステラは0.68ドル前後で取引され、過去24時間で10.8%の上昇となっている。年初からは435%超の上昇を記録した。

個人間決済にフォーカスしたステラブロックチェーンのステラは2020年10月、米ドル連動型ステーブルコインのUSDコイン(USDC)の取り扱いを追加した。

「ステラがステーブルコインの取り扱いを増やしたことが、大幅な価格上昇につながったと考えている」と投資マネージャーのコンスタンティン・コーガン(Constantin Kogan)氏は語った。

ステラが10%以上も値を上げた理由を明確にするのは難しいが、結局は「アルトシーズン」である市場環境が支えるかたちとなった。アルトシーズンは暗号資産の業界用語で、トレーダーがビットコインから得た利益を他の暗号資産(=アルトコイン)に回す時期を言う。

ステラのような昔からある暗号資産が「再び大きな注目を集め始めている」とGlobal Digital Assetsのザック・フリードマン(Zach Friedman)氏は述べた。

数年来のプロジェクト「Dfinity」が進展

10日、アルトコイン人気を示すもう1つの出来事があった。数年にわたるプロジェクトが十分な資金獲得に向けて前進したというニュースだ。


出典:CoinMarketCap

Dfinityは、以前はイーサリアムのライバルと考えられていたが、現在はより広い範囲をカバーする「インターネット・コンピューター」、すなわちクラウドコンピューティングの基盤となることを目指している。同プロジェクトはネイティブトークン「ICP」をCoinbase Proに上場した。

当記事執筆時点、CoinMarketCapによると、ICPは277ドル前後で取引されている。

「アルトコイン・シーズンは依然続いている」と暗号資産(仮想通貨)店頭取引(OTC)トレーダーのアレッサンドロ・アンドレオッティ(Alessandro Andreotti)氏もコメントする。

史上最高値を更新するイーサリアム

イーサリアムの価格推移
出典:TradingView

イーサリアムは、協定世界時(UTC)10日8時45分(日本時間17時45分)頃、4213ドルの史上最高値を記録した。

「イーサリアムは安定した成長を続け、史上最高値を更新した。しかし、暗号資産資産市場全体では、アルトコインの価格上昇が目立つ」と述べたのはGlobal Digital Assetsのフリードマン氏。

10日、イーサリアムのドミナンス(暗号資産市場全体の時価総額に占めるイーサリアムの時価総額の割合)は3年ぶりに20%を超えた。

イーサリアムのドミナンス
出典:TradingView

「機関投資家の関心は長期間、ビットコインに向いていたが、イーサリアムとDeFi(分散型金融)の追い上げが続いている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のイーサリアム先物の取引量も増加している」と投資会社テルリアン(Tellurian)のパートナー、ジーン-マルク・ボネファス(Jean-Marc Bonnefous)氏は述べる。

データサイトのSkewによると、イーサリアム先物の建玉は週末も100億ドル超を維持し、9日には107億ドルに達した。

イーサリアム先物の建玉
出典:Skew

暗号資産取引所のビットスタンプ(Bitstamp)では、ビットコインは年初から91%上昇、一方、イーサリアムは440%超の上昇となっている。

ビットコイン(橙)、イーサリアム(青)
出典:TradingView

「イーサリアムが今、ビットコインを上回る理由には、将来、ネットワークがより健全なものになることに期待する投資家心理がある」とイギリスの暗号資産取引所CEX.ioのエグゼクティブ・ディレクター、コンスタンティン・アニシモフ(Konstantin Anissimov)氏は話す。

サンフランシスコを拠点とする暗号資産取引所「OKCoin」のジェイソン・ラウ(Jason Lau)氏は「イーサリアムコミュニティでは、プロトコルアップグレードが予定されており、将来に向けた興奮が高まっている。イーサリアム2.0(ETH 2.0)は予想より早く登場する予定だ」と述べた。

「結局のところ、分散型の未来の可能性と出現は、イーサリアムをはじめとする暗号資産エコシステム全体で、投資家とユーザー、開発者を引きつけるストーリーになっている」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Stellar, ICP Pop as Altcoin Season Takes Ether to Fresh High