イーサリアムのアクティブアドレス数が過去最多──価格上昇継続のサインか

イーサリアムの価格上昇が続くなか、アクティブアドレスの数が増加している。

データサイトのグラスノード(Glassnode)によると、イーサリアムのアクティブアドレス数は5月9日、過去最多となる794万に達した。2018年1月16日に記録した714万を上回った。

過去3日間だけで10万以上増えており、年初から86%増加している。

「取引数、アクティブアドレスの数、手数料を含む多くの指標などから、イーサリアムネットワークのファンダメンタルズが強化されてきている」とインドの暗号資産取引所BuyUcoinのCEO、シバム・タクラル(Shivam Thakral)氏は述べた。

イーサリアムのアクティブアドレス数と1日の取引数は、2020年はじめに底を打った後に増加し続け、イーサリアムの強気相場をけん引している。

「暗号資産の使用量が増えれば、需要が増え、価格は上昇する」とブロックチェーン分析サービスのチェイナリシス(Chainalysis)でチーフエコノミストを務めるフィリップ・グラッドウェル(Philip Gradwell)氏は昨年、米CoinDeskに語っている。

取引手数料高騰も妨げにならず

イーサリアムブロックチェーンのネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)は、ネットワークの成長を反映して、2020年はじめから2355%の驚異的な上昇を見せている。10日には4200ドル超の史上最高値を記録し、CoinDesk 20のデータによると、価格はこの2週間だけで2倍になった。

イーサリアムのアクティブアドレス数(赤)と取引数(緑)
出典:Glassnode

2021年第1四半期(1−3月期)以降、イーサリアムネットワークの混雑が報告されており、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain)などのライバルと比べると、取引手数料は高騰している。

だがこれまでのところ、高額な手数料がユーザーを妨げることはほぼなく、アクティブアドレス数と取引数の継続的な増加がそれを証明している。アナリストはファンダメンタルの成長を証明していると述べる。

「手数料が安価なブロックチェーンは、イーサリアムやビットコインのようなチェーンよりもはるかに簡単に活動を偽ることができる。つまり、イーサリアムのアクティブアドレス数が過去最多を記録したことは、偽りのない成長の真のサインだ」とブロックチェーンデータ会社NansenのCEO、アレックス・スバネビック(Alex Svanevik)氏は述べた。

ウェブ検索のデータが、イーサリアムに対する一般の関心の高まりを示していることから、Two Prime Digital Assetsの戦略ディレクター、アラシュ・ガエミ(Arash Ghaemi)氏は、アクティブユーザー数はさらに増加すると予測している。

「イーサリアムの検索は急上昇している。一方、ビットコインの検索は下落もしくは横ばい状態が続く。グーグルでの検索数が増えれば、イーサリアムのアクティブアドレス数は増え、さらなる価格上昇につながる」とガエミ氏は10日、ツイッターに投稿している。

「初めて、グーグルトレンドの人気度でイーサリアムがビットコインを上回っている。

グーグル検索と価格動向は互いに並行して動いている。

イーサリアムの検索は急上昇しているが、ビットコインの検索は下落もしくは横ばいになっている」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Glassnode
|原文:Ether’s Active Addresses Pass 2018 Peak as Cryptocurrency Soars to New Price Highs