ブロックチェーンのデータは、6万4000ドル超えの史上最高値から35%以上の下落となったビットコイン(BTC)の調整は、強気市場でビットコインを購入した新規投資家のパニック売りが引き起こした可能性を示している。
「ビットコイン市場は大きな調整局面にある。短期保有者がパニック売りを主導している強いシグナルが見られる」とブロックチェーンデータ分析会社のグラスノード(Glassnode)は17日にニュースレターに記した。
今回の急落は、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOの一連のツイートの後のことで、同氏は当初、テスラが保有する10億ドル以上のビットコインをすべて売却したか、あるいは近々売却する可能性があるのかを明確に否定しなかった。その後、同氏はテスラがビットコインを売却していないことを明らかにしている。
パニック売りで大きな損失か
グラスノードによると、「短期保有者SOPR」(STH-SOPR:ビットコイン保有が155日未満)は、重要な基準である「1」を大きく下回り、新規投資家が「パニック売り」を行い、「大きな」損失を出した可能性があることを示している。
SOPRは、ビットコイン残高の純利益/純損失ポジションを測定した指標で、1以下の数値は、損失を出していることを意味する。本記事執筆時点、長期保有者のSOPRも下落傾向にあるものの、値はまだ「4」を上回っている。
同時に、ビットコインの蓄積アドレスは増加を続けており、残高が0ではないアドレス数は約2.8%減少している。グラスノードによると、これは長期保有者が最新の価格の下落のなかでビットコインを購入していることを示しているという。
蓄積アドレス:少なくとも2回のビットコインの購入経験があり、かつ使用経験のないアドレス。
「弱い買い手は屈し、強い買い手は安価なコインの蓄積を再開する」(グラスノード)
ビットコインは前回の強気相場の時よりもはるかに高い価格で推移しており、完全な回復のためには、より大きな資本流入が必要とグラスノードは述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
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|原文:As Newbies Panic in Latest Bitcoin Correction, Old Pros Appear to Buy on the Dip