ビットコインとイーサリアム、史上最高値から50%下落──今週は回復との見方も

23日午後(米東部時間)、暗号資産(仮想通貨)は再び下落し、主要な暗号資産のほとんどが24時間で20%〜30%下落した。そのなかでビットコイン(BTC)は16%の下落にとどまり、比較的明るい話題を提供した。イーサリアム(ETH)も15%下落にとどまったものの、双方とも先月の史上最高値から半値程度になっている。

暗号資産の市場心理分析プラットフォーム、Trade the Chainのニック・マンチーニ(Nick Mancini)氏によると、23日の下落の具体的な理由は、中国政府が暗号資産への規制を強めていることを受けて、暗号資産取引所フォビ(Huobi)が複数の国で事業を縮小すると発表したことにあるという。

「このニュースが伝えられた直後、短期的なビットコイン・センチメント・スコアは5月19日以来のレベルまで下落し、続けて価格も下落した」(マンチーニ氏)

フォビの動きは、大手暗号資産企業のなかで最も早く、中国の規制強化に具体的に対応したものであり、投資家にとっては規制強化がより現実的なものとなっていると言える。

今週は回復か

23日の下落のきっかけがフォビだったとしても、それはこの数週間のネガティブなニュースの最新ニュースに過ぎない。中国での取り締まり、およびアメリカでの規制強化の可能性、テスラの方向転換(ビットコイン決済の停止)などが市場に打撃を与えている。

今年はじめの大幅な価格上昇に引きつけられた新規投資家は、下落を続ける価格に打ちのめされているとBitBull CapitalのCEO、ジョー・ディパスクァーレ(Joe DiPasquale)は語った。

またウェブサイトのCryptoSlateによるとこの1週間、Googleで「Should I sell my bitcoin?(ビットコインを売るべきか?)」と検索する人が急増し、一連のネガティブなニュースが新規投資家を動揺させていることを示しているという。

今後については、複数のアナリストは3万ドルを強力な支持線と見ており、今週は回復する可能性があると述べた。

5月12日にテスラが環境懸念を理由にビットコイン決済を停止すると発表したことで、ビットコインの下落傾向は強まった。同社が2月8日に「15億ドルのビットコイン購入」を発表したことでビットコインは値を上げたが、上昇分はすべて消え去った。

フォーチュンによると、テスラは15億ドル相当のビットコインを1ビットコインあたり約3万4700ドルで購入した可能性が高いという。第1四半期(1−3月期)、同社は好調な業績を発表したが、7月1日までにビットコイン価格が回復しない限り、第2四半期(4−6月期)には減損が発生することになりそうだ。

この状況はイーロン・マスク氏の暗号資産寄りのコメントを理解する手助けとなる。マスク氏は「暗号資産(の下落)のせいで、あなたに腹を立てている人たちについてどう思うか」というツイートに対して、次のように答えた。

「本当の戦いは法定通貨 vs 暗号資産。私は後者を支持する」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk 20
|原文:Bitcoin, Ether Now Down 50% From Last Month’s ATHs as Rout Resumes