暗号資産市場は過去24時間で一時上昇したが、再び勢いを失った。強気相場に加わった新規投資家の行動が影響している可能性がある。また、市場データは、イーサリアムの取引が活発化し、ビットコインのライバルとなりつつあることを示している。
●ビットコイン(BTC)は、26日21時(協定世界時:UTC/日本時間27日6時)現在、38,538ドル前後で取引され、過去24時間で2.5%上昇。
●ビットコインの24時間のレンジ:37,600ドル~40,702ドル(CoinDesk 20のデータ)。
●イーサリアム(ETH)は、2,733ドル前後で取引され、過去24時間で0.5%下落。
●イーサリアムの24時間レンジ:2,542ドル~2,895ドル。
ビットコイン、一時4万ドルを超える
ビットコインはテクニカル分析では、弱気シグナルが強まった。26日、ビットコインは一時4万ドルを超えたが、現在は下回っている。
エネルギーを大量消費するビットコインマイニングの問題に取り組む協議会の設立が発表されたことで、ビットコイン価格は上昇したが、続かなかった。
「この反発が弱まると売りが再開され、ビットコインは最近の安値を再び試すことになると見ている。いずれにしても5万ドルの上に多くの抵抗線があり、前回の高値を超えるには何らかの動きが必要になるだろう」と暗号資産取引所Delta ExchangeのCEO、パンカジ・バラニ(Pankaj Balani)氏は述べた。
ビットコインのドライパウダーの不足
ビットコインの取引所への流入量が減少している。「ドライパウダー」とは、流動性のある資産のことで、暗号資産の場合はウォレットに保存されている残高を示すが、暗号資産取引所のドライパウダーは減少しているようだ。暗号資産取引所への流入は、保有者が売却しようとしていることを意味する。
データサイトのグラスノード(Glassnode)によると、23日には5万2895ビットコインが暗号資産取引所に送られたが、これは1月24日以来の低水準。25日も5万3326ビットコインにとどまった。過去6カ月の平均は7万2361ビットコイン。
店頭取引(OTC)トレーダーのヘンリック・クーゲルベルク(Henrik Kugelberg)氏は、新規投資家がビットコインの価格変動の大きさに興味を失いつつあり、売りが続くなか、取引所への資金の流れの鈍化につながっているのではないかと考えている。
「パニックに陥ったのは、ビットコイン価格の上下動をほとんど、あるいはまったく経験したことのない小口の新規投資家」と同氏は述べた。
イーサリアムの取引高が上回る
イーサリアム(ETH)はテクニカル分析では、横ばいシグナル。
週明けの暗号資産市場は、ビットコインとイーサリアムの取引高がほぼ同程度となった。25日、CoinDesk Researchのデータによると、イーサリアムの取引高が急増し、ビットコインをはるかに上回った。ビットコインの取引高が495億5356万4503ドル、一方、イーサリアムの取引高は883億2397万7568ドルとなった。
暗号資産教育プラットフォーム、YouCanTradeの社長、サラ・ポッター(Sarah Potter)氏によると、この2つの暗号資産の取引高の逆転は、珍しいことだがより一般的になりつつあり、暗号資産トレーダーがビットコインのみに集中しているわけではないことを証明しているという。
「トレーダーの視点から見ると、自分に合った暗号資産を見つけるための多くの選択肢がある。そしてイーサリアムは可能性を秘めている」(ポッター氏)
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin, Ether Climb on Green Mining Plans Before Losing Steam