この1年のビットコイン(BTC)の上昇は終わりに近づいている可能性がある。ニューヨークの投資顧問会社MRBパートナーズ(MRB Partners)は、5月25日に発表したレポート「Has The Crypto Fever Broken?」でそう結論づけている。
アナリストは、ビットコインを取り巻く環境への懸念が大きくなっていることに触れ、ビットコインが今後、困難な時期を迎える可能性がある理由として、規制リスクの可能性、ネガティブなテクニカル分析トレンド、金融刺激策の将来的な縮小などをあげた。
「イージーマネー(大規模な金融緩和)が暗号資産(仮想通貨)バブルを後押ししている。このトレンドが世界的に徐々に解消されると、最終的には投機的なデジタル資産には逆風となるだろう」
ビットコイン価格はこの1年で約2倍に上昇し、年初からは約30%上昇している。5月には価格が大きく変動する時期があったが、短期的には持ち合いとなっているようだ。だが一部のアナリストは、一時的な上昇の可能性はあるものの、ビットコインの上値は限られると見ている。
MRBパートナーズは、環境問題やレバレッジ、アメリカと中国での規制強化などは、暗号資産への逆風になる可能性があるとしている。
環境への影響を削減するには「暗号資産マイニングのシステムは、現在よりも大幅に安価なコストでマイニングできるようにする必要がある」とMRBパートナーズはレポートに記した。
マイニング効率の上昇は、エネルギー消費量の削減につながり、エネルギー消費量の低下は、MRBパートナーズによると通常、ビットコイン価格の下落局面で見られるものだという。
また、オーバーレバレッジは「暗号資産市場で大きな問題にもなっており、規制当局は今、非金融会社が運営する金融仲介や取引所が増加しているリスクの評価を迫られている」。
暗号資産市場は、すべての可能性を失っているわけではない。
「暗号資産がメインストリームの投資手段に発展する可能性は十分ある。だが非常に長い道のりであり、その途中で何度も上昇/下落の局面があると考えている」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:MRB Partners
|原文:Bitcoin’s Bull Market ‘May Have Come to an End,’ Says MRB Partners