ビットコイン投資信託、イギリスの取引所で取引開始へ──機関投資家需要を狙うスイス企業

暗号資産(仮想通貨)の投資信託を中心に、投資商品の開発を進めてきたスイスの21Sharesが、ビットコイン(BTC)の投資信託をイギリスの取引所に上場させる。

21Sharesは今月、同社が組成したビットコインETP(exchange-traded productの略)を英アクイス・イクスチェンジ(Aquis Exchange Plc)が運営するMTF(Multilateral Trading Facility)上で取引を開始する。今回の英国内での取り組みは、ETF(上場投資信託)を専門とするGHCP社との提携を通じて行う。

英国内の機関投資家を顧客ターゲットに据え、21Sharesは同国のビットコイン投資商品に対する需要を捉えていく。

イギリス政府はこれまで、暗号資産の投資商品に対して慎重な対応を維持してきた。同国の金融規制機関であるFCA(金融行動監視機構)は今年1月に、個人投資家を対象に開発された暗号資産の投資商品の販売を禁止する措置を講じている。

アクイス・イクスチェンジのアラスデア・ヘインズ最高経営責任者(CEO)は、「21Sharesとは数カ月にわたってこのプロジェクトを進めてきた。イギリスにおける機関投資家のデジタル資産に対する需要に応えることが可能になる」とコメントしている。

21Sharesはスイスのアムン・ホールディングス(Amun Holdings)傘下で事業を運営している。先月には、米資産運用アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッドCEOが、アムンの経営幹部として参画したと報じられた。

21Sharesは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産を中心とする複数の上場投資ファンド(ETP)を組成・管理し、スイスやドイツ、オーストリアなどの証券取引所に上場させている。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:ロンドンの金融街(Shutterstock)
|原文:21Shares to List Bitcoin ETP in London on Aquis Exchange