●ビットコイン(BTC)は、7日21時(協定世界時:UTC/日本時間8日6時)時点、35,679ドル前後で取引され、過去24時間で0.25%下落。
●ビットコインの24時間レンジ:35,335ドル~36,742ドル(CoinDesk 20のデータ)。
●イーサリアム(ETH)は、2,736ドル前後で取引され、過去24時間で2%上昇。
●イーサリアムの24時間レンジ:2,677~2,840ドル。
エネルギーに欠けるビットコイン市場
ビットコインはテクニカル分析では、弱気シグナル。
やや活気を失いつつある市場だが、「徐々に高いトレンドに戻り、今後48~72時間で大きな動きがあると考えている」と暗号資産の市場心理分析プラットフォーム、Trade the Chainのニック・マンチーニ(Nick Mancini)氏は述べた。
ビットコインが55,000ドル以上だったときから、まだ1カ月も経っていない。CoinDesk 20のデータによると、5月8日に59,506ドルを記録している。
「レンジは間違いなくブレイクする。だが、エネルギーが市場にない。つまり、エネルギーはビットコインからイーサリアムにシフトしている」とスイスクオート銀行(Swissquote Bank)のクリス・トーマス(Chris Thomas)氏は述べる。
イーサリアムには一部、強気シグナルも
イーサリアムはテクニカル分析では、横ばいから弱気シグナル。だが一部のアナリストは強気のサインを見出している。
「イーサリアムは高値を更新し続け、市場心理も上昇している。これらはすべて強気サインだ」(Trade the Chainのマンチーニ氏)
もう1つの強気トレンドは、イーサリアムのドミナンス(すべての暗号資産の時価総額に占めるイーサリアムのシェア)。当記事執筆時点、19.78%と5月16日以来の高水準となっている。
イーサリアム取引高は9日連続でビットコイン超え
ビットコインとイーサリアムの取引高はこのところ減少しているが、特徴的な現象が続いている。イーサリアムの取引高が9日連続でビットコインを上回っている。6月6日、大手暗号資産取引所でのイーサリアム取引高は2800万ドルに達した。一方、ビットコインは2700万ドル。
トレーダーは、ビットコインに対する多少の買い疲れを感じ、一部をDeFi(分散型金融)に移して、利回りを稼いでいる可能性もある。データサイトのDeFi Pulseによると、DeFiに「ロック」(預け入れ)されたビットコインは、181,455BTC、2月26日に6カ月ぶりの高水準となる194,519BTCを記録して以来の数字となっている。
中国からのプレッシャー
中国当局は、依然として暗号資産のマイニングや取引活動に圧力をかけていると、QCP Capitalは直近の投資家向け文書で指摘した。
「中国は暗号資産への規制を強化しており、政府は暗号資産投資やマイニングを勧めるウェイボー(Weibo)をブロックしている。今後、数日の値動きを注視したい」(QCP Capital)
Trade the Chainのマンチーニ氏など、強気のアナリストはいるが、暗号資産の店頭取引(OTC)トレーダーのアレッサンドロ・アンドレオッティ(Alessandro Andreotti)氏はQCPの懐疑的な見方に賛同している。
「今、市場はわずかな不確実性を抱えている。個人的には、しばらく弱気な状況が続く可能性があると考えている」(アンドレオッティ氏)
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:DeFi Pulse
|原文:Market Wrap: Bitcoin in Tight $35K-$36K Range; Ether Volumes Still Beating BTC