●ビットコイン(BTC)は、10日21時(協定世界時:UTC/日本時間11日6時)時点、36,732ドル前後で取引され、過去24時間で1%上昇。
●ビットコインの24時間レンジ:36,250~38,200ドル(CoinDesk 20)。
●イーサリアム(ETH)は、2,465ドル前後で取引され、過去24時間で3.8%下落。
●イーサリアムの24時間レンジ:2,462ドル~2,617ドル。
3.8万ドルを超えた後に勢い失う
ビットコインの1時間足チャート(ビットスタンプ)
出典 : TradingView
ビットコインはテクニカル分析では、横ばいシグナル。一時、38,200ドルまで上昇したが、その後に勢いを失い、当記事執筆時点で36,732ドルまで下落している。ビットコインが38,000ドルを超えたのは、6月3日以来。
あるトレーダーによると、ビットコイン価格は今、個人投資家よりも「クジラ」と呼ばれる大口保有者によって左右されている可能性があるという。
「クジラは波を起こしており、今はビットコインがここ数週間試みているようなブレイクアウトに対抗しているように思える」と、店頭取引(OTC)トレーダーのヘンリック・クーゲルベルク(Henrik Kugelberg)氏は述べた。
イーサリアムの高いボラティリティ
8日から9日にかけて、ビットコインの30日ボラティリティは8ポイント上昇し、97%となった。大きな変動に思えるが、イーサリアムのボラティリティは約162%となっている。
「市場は、下振れ懸念と様子見の間で落ち着いているようだ。個人投資家の取引高は減少し、クジラの動きが値動きを支配している」とQCP Capitalは投資家向け文書に書いている。
イーサリアムのきわめて高いボラティリティは、取引高がビットコインを超えていることが要因となっているようだ。
「極端なボラティリティによって、イーサリアムはビットコインよりも取引高が多くなっている。今後数週間はビットコインの取引高がイーサリアムを上回ると見ているが、それはビットコインの時価総額が大きいためだ」と流動性プロバイダーGSRの共同創業者、リチャード・ローゼンブラム(Richard Rosenblum)氏。
ビットコイン、取引高でイーサリアムを逆転
9日、ビットコインの取引高は530億ドル、イーサリアムは430億ドルとなり、最近の傾向から一転した。それ以前は11日間にわたってイーサリアムがビットコインを上回る取引高を記録していた。
OTCトレーダーのクーゲルベルク氏は、ビットコインが再び注目を集める時期が来たのではないかと考えている。
「イーサリアムはもちろん非常に重要で、強気相場は常にビットコインの強気相場の3倍の長さになるようだ。ビットコインは上昇への準備が整っている。私の見解では、いつも取引高の上昇から始まっている。ビットコインを法定通貨にするエルサルバドルが今回のきっかけになるかもしれない」(クーゲルベルク氏)
イーサリアムは弱気?
イーサリアムはテクニカル分析では、弱気シグナル。
最近のイーサリアムの取引高と価格の下落は、確かにある程度の弱気心理を作り出している。さらに、データサイトのスキュー(Skew)によると、オプション市場はイーサリアム価格はさらに下落すると予想しているという。
7月21日満期のオプション契約に基づくと、イーサリアム価格が2,400ドルを超える確率は44%、2,800ドルを超える確率は31%、3,200ドルを超える可能性は21%になる。
一部の暗号資産トレーダーは、イーサリアム・ブロックチェーンが成功し続けるためには、複雑なエコシステムにおける数多くの未知の事態を乗り越える必要があることから、そのファンダメンタルに対して弱気だった。
「私は初期の段階で、ガバナンスの問題や取引手数料の問題は長期的には競争力にならないと感じていた。だから愚かにもイーサリアムには手を出さなかった」とクーゲルベルク氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:CoinDesk 20
|原文:Market Wrap: Bullish Basel News Causes BTC Jump to Week-High $38K Level; ETH Slips