政府は18日の臨時閣議で、新たな経済財政運営の指針と成長戦略を閣議決定した。同日に公開された成長戦略の計画案には、ブロックチェーンなどのデジタル技術の活用を促す方針が記載された。
具体的には、サプライチェーンの効率化や、官民のさまざまなサービス間でのID(本人確認)連携などで、ブロックチェーンなどのデジタル技術を活用する方策を検討していく。また、NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン)や、セキュリティトークン(ST)に関連する事業環境の整備も進めていく。
非中央集権的に管理できるブロックチェーン上で、社債や株式、不動産などの有価証券をセキュリティトークンとして発行・流通する仕組みは、野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル、みずほフィナンシャルなどの金融大手がそれぞれ研究開発を進めている。
NFTはブロックチェーンを基盤に作成されるトークンで、デジタルコンテンツの所有を証明することができる。マネックスグループ傘下のコインチェックが今年、NFTを取引できるマーケットプレイスのベータ版の運営を開始する一方で、LINEやGMOインターネットグループ、サイバーエージェントなどがNFT事業への参入を発表している。
ビットフライヤー・ホールディングス(bitFlyer Holdings)は、子会社のbitFlyerを通じてブロックチェーンを基盤技術とする暗号資産(仮想通貨)の交換業を手がける一方で、bitFlyer Blockchainが独自のブロックチェーンを開発してきた。また、国内で約8600万人のユーザーを抱えるLINEも、独自のブロックチェーンを活用した新しいサービス開発を進めている。
|文・編集:佐藤茂
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