2種類、各8000枚、合計1万6000枚のノンファンジブル・トークン(NFT)画像が23日、中国の決済プラットフォームのアリペイ(Alipay)で販売され、数時間で完売した。
この反響を受けて、アリペイを運営するアント・グループ(Ant Group)が、NFTは暗号資産(仮想通貨)ではないと改めて表明したとロイターは報じた。アント・グループの迅速な対応は、中国政府が暗号資産の取引やマイニングの規制を強化していることと無縁ではないだろう。
2種類の画像は、アリペイと敦煌研究院が共同でアリペイの決済画面のカスタマイズ表示用として、アント・グループのエンタープライズブロックチェーン「アントチェーン(AntChain)」を使って公開したもの。ユネスコの世界遺産に登録されている中国北西部・甘粛省にある莫高窟(ばっこうくつ)の壁画をもとにしたもののようで、それぞれ8000枚がNFTとして用意された。
画像の購入者は著作権を保有しないが、アリペイを利用する際に決済画面に画像が表示される。また記事によると、画像はアリペイでオークションに出品することができ、アントチェーンはNFTプロダクトをサポートするという。
アリペイがNFTを手がけることは、きわめて大きな意味を持つ。中国のユーザーにNFTアート作品を法定通貨の人民元で購入できる手段を提供することになるためだ。
イーサリアムブロックチェーンのようなパブリックブロックチェーン上のNFTは、ネイティブトークン、この場合はイーサリアム(ETH)で支払わなければならない。中国は2017年に法定通貨と暗号資産の取引を規制したため、これは中国の投資家にとっては難しいことだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Ant Group Says NFTs Are Not Cryptocurrencies After Digital Artwork Sells Out