ビットコインへの資金流入、回復傾向か:データ

これまでビットコイン(BTC)の主な底値を示してきた指標が、ビットコインへの資金の再流入を示している。

ステーブルコイン・サプライ・レシオ(SSR:Stablecoin Supply Ratio)オシレーターは、この4週間で、過去12カ月の最低値の−2.6から−1.9まで上昇した。

この回復は、資金がステーブルコインからビットコインに移動していることを示しているとブロックチェーンデータ分析会社のグラスノード(Glassnode)は24日、ツイーターに投稿した。つまり、押し目買いを狙う買い手が、ビットコインや他の下落した暗号資産を買うためにステーブルコインを使っている。

強気相場スタートのシグナル

ステーブルコインは、米ドルのような資産に裏付けられた暗号資産であり、本質的には法定通貨の代わりとなる。データサイトのメッサーリ(Messari)によると、ステーブルコインの時価総額は前年比10倍の1000億ドル超に急増しているという。

ステーブルコイン・サプライ・レシオ(SSR)は、ビットコインの供給量とビットコイン建てステーブルコインの供給量の比率。「比率が低いときは、ビットコインの購買力が高くなる。同じ金額の米ドルで相対的に多くのビットコインを購入できるためだ。逆に比率が高いときは、米ドルの購買力が弱いことを意味する」(グラスノード)

トレーダーはSSRからトレンド変化を読み取ることができる。だが法定通貨を使った取引やデリバティブを考慮しておらず、完全な指標ではない。

とはいえ、これまで、変化を示す信頼できる指標であることは証明されている。

出典:Glassnode

例えば、2020年第4四半期(10−12月期)に見られたものをはじめ、ビットコインの過去の強気相場は、SSRが−2を下回った状態でスタートしている。つまり、最近の回復は、ビットコインおよび暗号資産市場全体に変化が迫っているシグナルの可能性がある。

ビットコインは5月中旬に急落し、それ以来、一時2万9000ドルまで下がったこと以外は、概ね3万〜4万ドルのレンジに限定されている。

最大のステーブルコインであるテザー(USDT)の時価総額は、この4週間で590億ドルから640億ドル超まで増加している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Glassnode
|原文:Key Indicator Shows Capital Beginning to Flow Back Into Bitcoin