現在、4つのブロックチェーンで運用されている米ドル連動型ステーブルコインのUSDコイン(USDC)が、さらに8~10のブロックチェーンに拡大する可能性がある。
約250億ドルの時価総額を持つUSDコインにとって、これまでで最大の拡大であり、時価総額630億ドルを誇るテザー(USDT)の8つを超えることになる。
「今後数カ月でUSDコインは、アバランチ(Avalanche)、セロ(Celo)、フロー(Flow)、ヘドラ(Hedera)、Kava(カヴァ)、ネルボス(Nervos)、ポルカドット(Polkadot)、スタックス(Stacks)、テゾス(Tezos)、トロン(Tron)で利用できるようになると見ている」とUSDコインを発行するコンソーシアム「CENTRE」の発表文の草案に記されていた。草案は米CoinDeskが入手した。
監視が強まるステーブルコイン
今、FRB(米連邦準備制度理事会)はステーブルコインへの監視を強めている。
ボストン連邦準備銀行のエリック・ローゼングレン(Eric Rosengren)総裁は最近の講演でテザー(USDT)や破綻の危機にあるタイタン(TITAN)が持つリスクに触れた。一方、FRBのランダル・クオールズ(Randal Quarles)副議長はステーブルコインについて肯定的な発言を行ったが、ステーブルコインがFRBの厳しい監視の目の中にあることは明らかだ。
CENTREは、他のブロックチェーンへの拡大は「個人や企業によるオープンブロックチェーン技術の採用を促進する」と草案で述べている。
「我々は、これらのブロックチェーンプラットフォーム上、およびマルチチェーンプロトコル上のUSDコインが、世界で最も急速に成長しているデジタルドルの利用をさらに加速させると期待している」
USDCは2018年にイーサリアムブロックチェーンからスタートし、2020年後半にはアルゴランド(Algoland)、ステラ(Stellar)、ソラナ(Solana)に拡大した。
また拡大に先立って先週、USDコインは利回りを生む投資対象としての可能性を示す2つのプロダクト、Circle YieldとDeFi APIを発表した。
拡大についての最新情報は「年内に順次発表していく」とCENTREは発表文の草案に記している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:USDC Stablecoin Could Soon Expand to 10 More Blockchains