VISAの暗号資産対応カード、上半期の決済額は10億ドル

VISAの暗号資産対応カードは2021年上半期、10億ドル(約1100億円)の決済を行ったと同社が7日発表した。

これはカードを発行した50社以上の暗号資産関連企業とVISAのパートナーシップの成果だ。同社の暗号資産カードプログラムは、暗号資産業界と伝統的な銀行を融合させる同社の大規模な取り組みの一環で、VISAの決済ネットワークにステーブルコインを導入したり、銀行に暗号資産の売買機能を提供するなどしている。

だが10億ドルすべてが暗号資産を使った取引ではない。VISAは内訳は明らかにしていない。

VISAの暗号資産責任者、カイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏は「この取り組みの最初の部分は、暗号資産ウォレットと当社の既存のマーチャントネットワークをつなぐことだと考えている。次の段階は、当社のクライアントが簡単にカード発行できたり、USDコイン(USDC)での決済を可能にしてクライアントにとっての使い勝手を向上させること。そして今、VISAは既存の金融機関ネットワークと暗号資産エコシステムの間のブリッジとなる方法の検討に、多くの時間を費やし始めている」と米CoinDeskに語った。

VISAは、消費者が暗号資産を法定通貨に簡単に替えて使えるカードと、法定通貨を使い、ポイントとして暗号資産を獲得できるカードを提供している。

暗号資産融資を手がけるブロックファイ(BlockFi)のクリプト・リワード・クレジットカードは後者。ユーザーには取引ごとに1.5%がビットコインで還元されるなどのメリットがある。一方、デリバティブ取引を手がけるFTXが予定しているカードは前者だ。

シェフィールド氏によると、VISAの暗号資産対応カードの決済額は、VISAカード全体の決済額に比べるとはるかに小さい。VISAカードの年間決済額は11兆ドル(約1215兆円)を超えるという。だが暗号資産対応カードの成長は、新しいカテゴリーの確立を意味すると同氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Visa Crypto Cards Have Racked Up $1B in Spending in 2021