ビットコインの「欠点」に直面、エルサルバドル法定通貨化:JPモルガン

米銀最大手のJPモルガン・チェースは、エルサルバドルにおけるビットコイン(BTC)の利用は逆風にさらされると述べ、価値交換の手段としての使い方に「欠点」が生じる可能性を示した。

同行が8日発表したレポート、およびブルームバーグが11日伝えたところによると、多くのビットコインは流動性の低い事業体などに保有され、そのうちの90%は1年以上にわたって取引されていないため、問題が生じる可能性があるという。

JPモルガンは、エルサルバドルの1日あたりの決済は、最近のビットコイン取引高の約4%、また1年間にウォレット間を移動したビットコインの1%以上に相当すると指摘した。

こうした事実は「価値交換の手段としての可能性にきわめて大きな欠点となる可能性がある」とJPモルガンは述べた。

エルサルバドル議会は6月8日にビットコイン法を可決、9月7日に法定通貨としての取り扱いがスタートする。

JPモルガンはまた、エルサルバドル国民の過半数は新しい法律を「全く正しくない」と考えており、46%はビットコインが何かを知らないと回答したという調査結果にも触れた。

こうした複雑な背景があるうえに、JPモルガンは、ビットコインの流動性の低さに加えて、エルサルバドル経済への導入にあたっての最大の懸念は、ビットコインのボラティリティ、およびビットコインと米ドルの需要の不均衡さにあると述べた。

政府が用意したプラットフォームでのビットコインと米ドルの換金は「国内のドルの流動性を減少させる」可能性があり、国際収支や財政の安定性にリスクをもたらすと指摘した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:El Salvador Could Face ‘Limitation’ on Bitcoin’s Use as Medium of Exchange: JPMorgan