ビットコインは15日、米株式市場と連動して下落し、この10日間で最大の下げ幅となった。アナリストはさらなる下落を警告した。
「ビットコインは脆弱に思える。ポジティブな領域への明確なブレイクが見られない限り、投機的な強気相場が戻ってきたと考えことは難しい」とスタック・ファンズ(Stack Funds)のレナード・ネオ(Lennard Neo)氏は投資家向けメモに書いている。
最新価格
●ビットコイン (BTC):3万1631.9ドル、−3.48%(過去24時間)
●イーサリアム(ETH):1923.5ドル、−3.03%
●S&P500:4360、−0.33%
●ゴールド:1828.4ドル、+0.08%
●10年物米国債:1.303%(14日:1.34%)
3万ドル割れでもう一段の下落の可能性
テクニカルチャートやスポット市場の値動きを見て取引するシンプルな時代は過ぎ去った。
ビットコインは2020年3月の暴落以来成熟しており、投資家はマクロ経済動向や先物・オプション市場の動きを無視することはできなくなっている。
15日は特にそうだった。株式市場で高リスクと判断された銘柄に対する市場心理はビットコインへの下落圧力となり、3万ドルのサポートレベルに向けて価格を押し下げた。このレベルを割ると、オプショントレーダーからのさらなる売り圧力を招き、価格は一気に下落する可能性がある。
5月中旬以降、ビットコインは3万ドル〜4万ドルのレンジにとどまっているため、オプション市場では、3万ドルの権利行使価格でのプット(売る権利)と、4万ドルでのコール(買う権利)の建玉が多くなっている。
データサイトのジェネシス・ボラティリティ(Genesis Volatility)のCEO、グレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は「支持線や抵抗線が破られた場合、価格は新しいレベルに移行するため、トレーダーは素早くヘッジする必要がある」とコメントした。
アルトコイン状況
●DeFiプロジェクトにフラッシュローン攻撃:DeFi(分散型金融)プロジェクトのApeRocketが2回のフラッシュローン攻撃を受け、126万ドル(約1億4000万円)の損害を出した。
●香港、USTDを使ったマネーロンダリング組織を摘発:英字新聞のサウスチャイナ・モーニング・ポストによると、香港の税務当局は、米ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)を使って総額12億香港ドル(約1億5500万ドル、約170億円)の資金を扱っていたマネーロンダリング組織を摘発、4人の容疑者を逮捕した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Laevitas
|原文:Market Wrap: Bitcoin Slides Toward $30K, Looks ‘Fragile’