中国人民銀行(PBoC)は16日、同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」による決済総額は6月末までに345億元(約50億ドル、約5500億円)に達したと発表した。さらに同行はデジタル人民元はスマートコントラクトに対応すると初めて明かした。
同行の発表によると、決済総数は7075万件。約2100万の個人用ウォレットと350万の企業用ウォレットで行われた。デジタル人民元のウォレットは、提供された個人情報に応じて複数のレベルに分けられ、レベルに応じて、決済限度額と保有限度額が定められているという。
初期設定ではユーザーは個人情報を提供せずに「最も権限の低い」ウォレットを使うことができ、その後、アップグレードして機能を解除することができる。
さらに中国人民銀行は、2022年北京冬季オリンピックに向けて計画されているテスト運用の詳細にも触れ、無人ワゴン、自動販売機、無人スーパー、決済用手袋、決済用バッジ、決済用冬季オリンピックウェア、他のウェアラブルデバイスなどを展開する予定と述べた。
同行はデジタル人民元の基本設計は整っていると評価しており、全土で展開中のテスト運用を継続するとともに、新たなテスト運用を開始する。
デジタル人民元のテスト運用は1年以上続けられ、当初は成都、深圳、蘇州、雄安の4都市の限られた個人のみが利用できた。その後、4都市での抽選イベントを経て一般に公開され、上海や北京などにも拡大された。
ただし、正式な運用開始時期は未定となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:中国人民銀行(Shutterstock)
|原文:Digital Yuan Used in $5B of Transactions, Says China’s Central Bank