オーストラリア証券取引所(ASX)は、老朽化した決済管理システム「CHESS」をブロックチェーンベースのシステムに置き換えようとしている。だが業界団体、Stockbrokers and Financial Advisers AssociationのCEO、ジュディス・フォックス(Judith Fox)氏はシステム更新によって、会員企業が負担するコストが上がっていると述べた。
「会員企業の多くは、ASXが導入を進めている新しいブロックチェーン技術に対応するために数百万ドル(数億円)を費やしている」
Australian Financial Reviewが18日、フォックス氏の同国上院経済立法委員会での発言を伝えた。
現行システムは25年が経過
導入から25年が経過したCHESS(Clearing House Electronic Subregister System)は、清算と決済の迅速化を目的にブロックチェーンベースのシステムへの更新が進められている。
会員企業はASXや「他のグローバルな取引所」を何らかの形で利用しており、「グローバルマーケットで活動するために必要な投資は、ますます大きくなっている」とフォックス氏は述べた。
委員会に出席したASXの広報担当者は、システム更新には相応のコストがかかり、コストは顧客が決めるものでなければならないと述べた。
「顧客は新しいCHESSシステムをどのように使うかを選択できる」(ASX広報担当者)
世界初となるASXのブロックチェーンベースのシステムへの更新は現在、テスト段階にあり、更新は2022年〜23年と見られている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:ASX’s Blockchain Upgrade Costing Members ‘Millions’ Says Industry Body