【市場動向】ビットコイン、2018年と類似か

ビットコインは19日、伝統的な市場とともに下落した。景気刺激策の縮小懸念や、新型コロナウイルス感染者が再び増加していることで投資家はリスク資産から手を引いている。

当記事執筆時点、ビットコインは3万600ドル前後で取引され、過去24時間で約3%下落。年初から見ると、S&P500の約12%のリターンに比べて、約4%上昇にとどまっている。

最新価格

●ビットコイン (BTC):3万755.8ドル、−2.78%(過去24時間)
●イーサリアム(ETH):1825.6ドル、−3.96%

●S&P500:4258.7、−1.58%
●ゴールド:1811ドル、−0.05%
●10年物米国債:1.2%(16日:1.294%)

マクロおよび規制の逆風

マクロ状況に加え、ステーブルコインへの規制も暗号資産への逆風となっている。中国人民銀行(PBOC)は16日、デジタル通貨プロジェクトの初期リサーチをまとめた白書を発行。既存の暗号資産やステーブルコインには挑戦的な内容となっている。

「暗号資産はほとんどが投機的なものであり、金融の安全性や社会の安定性に潜在的なリスクとなる。(中略)一部の民間機関は、グローバル・ステーブルコインを計画しており、国際通貨システム、決済システム、金融政策、国境を越えた資本フロー管理などにリスクと課題をもたらす」

また、景気刺激策の縮小懸念が下落圧力の要因にもなっている。「過剰な景気刺激策は、満足を生む」と投資顧問会社MRBパートナーズは16日発表したレポートに書いている。

ビットコイン、2018年との類似性

現在のビットコインのレンジ(下図の下)は、2018年の5900ドル〜7400ドルの横ばいパターン(下図の上)と類似している。2018年のレンジは現在のレンジよりも価格変動は大きいものの、その後、約45%近くの下落となり、2019年半ばまで弱気市場が続いた。

出典:TradingView

イーサリアムも2018年に400ドルを割る下落となり、先週の2000ドル割れの下落と類似している。

イーサリアムファンドに資金流入

暗号資産ファンドはわずかに流入超となったが、5月の下落以降、投資家が慎重姿勢を崩していないためペースは遅い。暗号資産運用会社のコインシェアーズ(CoinShares)によると、投資家はイーサリアムに期待しているようで、3週連続で合計1170万ドルの流入となった。

出典:CoinShares

アルトコイン状況

●ポリゴン、新組織をスタート:ポリゴン(Polygon)はブロックチェーンゲームとノンファンジブル・トークン(NFT)の推進を目的とした新組織「Polygon Studios」をスタートさせた。新組織は、ゲームやNFTへの進出を考えるビッグブランドをターゲットにしている。

●グレイスケール、DeFiファンドを発表:暗号資産運用会社のグレイスケールは19日、DeFi(分散型金融)トークンに焦点をあてたファンドをスタートさせたと発表した。プレスリリースによると、「グレイスケールDeFiファンドは、業界をリードするDeFiプロジェクトへの投資機会を提供する」という。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Sentiment Away From Risk Sends Bitcoin Toward $30K