米上院議員3名が、2022年北京冬季オリンピックに参加する米代表チームにデジタル人民元をボイコットするよう求めている。
アスリートが「北京オリンピック期間中にデジタル人民元を受け取ったり、使用すること」を禁止すべきと米共和党の上院議員3名は19日、米オリンピック・パラリンピック委員会のスザンヌ・ライオンズ(Suzanne Lyons)会長に宛てた書簡で述べた。
議員の1人は米CoinDeskの取材に「中国共産党がアメリカをスパイする能力を高めるために、アメリカ選手をトロイの木馬として利用されることは許されない」と語った。
今回の呼びかけは、デジタル通貨の勢力争いにおける初期の応酬のひとつだが、2020年東京夏季オリンピックが23日に開会式を迎えることを考えると効果的なタイミングだ。
2022年2月に冬季オリンピックを開催する中国は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」のデビューを控えている。先週、中国人民銀行は旅行者が中国を訪れた際にデジタルウォレットを使用することを認めた。
これにより議員らは、中国政府はデジタル人民元を監視ツールとして利用するのではないかと危惧している。
「オリンピック選手は、デジタル人民元が中国国民や中国を訪れる人々を監視するために、かつてない規模で使用される可能性があることを認識すべきだ。中国を訪れた人々がスマートフォンにデジタル人民元ウオレットを残し、帰国後も使い続けることを望んでいる」
米CoinDeskは米オリンピック・パラリンピック委員会に取材を試みているが、まだ返答はない。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:US Senators Ask Team USA to Boycott China’s Digital Yuan at 2022 Olympics