前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/116676/)に引き続き、本記事では以下8社の金融機関およびシンクタンクの為替相場見通しをまとめる。
- アセットマネジメントOne
- ニッセイ基礎研究所
- 大和アセットマネジメント
- ヒロセ通商
- マネースクエア
- マネーパートナーズ
- みずほ銀行
- ソニーフィナンシャルホールディングス
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年7月20~26日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
アセマネOne、ドル円のレンジ推移を予想
アセットマネジメントOneは7月20日、「市場環境見通し(2021年夏)」の中で当面「米ドル/円」のレンジ推移入りを予想した。
日本のワクチン接種ペースが加速し欧米に追い付きつつあること、また米金利上昇が抑制され内外長期金利のレンジ推移が続くとみられることから円安基調が一服し、現水準でのレンジ推移を見込む。
ただし市場動揺時の円高の可能性、および日本の経済正常化期待が強まる年末にかけ円高圧力が強まる可能性について指摘した。
ニッセイ基礎研究所、3か月後ドル円を111円台と予想
ニッセイ基礎研究所は7月20日、「マーケットカルテ8月号」の中で為替相場を以下のように予想した。
ニッセイ基礎研究所 為替相場見通し
3か月後 | |
米ドル円 | 111台 |
ユーロ円 | 132付近 |
3か月後の「米ドル/円」は現状比やや円安の111円台と予想。米長期金利の低下は一時的で、米国の金融政策の先行きを踏まえると下がり過ぎていると指摘。緩和縮小と利上げが現実味を増すことで米長期金利が上昇し、円安ドル高が促されると見込む。
ただし夏場に円高に振れやすいアノマリー、および国内政治の不透明感による株価圧迫から円が下支えされる可能性が高いとみる。よって、3か月後の「米ドル/円」をやや円安の111円台とした。
大和AM、2022年末ドル円を111円と予想
大和アセットマネジメントは7月20日、「投資環境見通し(2021年8月号)」の中で為替相場を以下のように予想した。
大和AM 為替相場見通し
2021年末 | 2022年末 | |
米ドル円 | 110 | 111 |
ユーロ円 | 132 | 133 |
豪ドル円 | 89 | 91 |
カナダドル円 | 89 | 91 |
「米ドル/円」には中立スタンス を取る。リスクオンは米ドル安要因とするも、米景気回復期待による米実質金利上昇が米ドル高要因になると見込む。
また過去の推移から FRB(米中銀)の量的緩和ペースが下がると「米ドル/円」が下落しやすいと指摘。米量的緩和縮小で「米ドル/円」下落の可能性があるとした。
ヒロセ通商、7月26~30日ドル円を106~111円と予想
ヒロセ通商は7月23日、「週間展望(2021年7月23日)」の中で為替相場を以下のように予想した。
ヒロセ通商 為替相場見通し
2021年 7月26~30日 | |
米ドル円 | 106─111 |
ユーロドル | 1.15─1.20 |
「米ドル/円」は上値が重い展開を予想。27─28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で金融緩和の縮小が声明文で言及されるかどうかに注目が集まるとする。また26日に審議開始に向けた動議の採決が予定されるバイデン米大統領の「インフラ投資法案」、31日の米連邦債務上限の適用停止処置の期限切れにも注意が必要とした。
経済指標では29日の「4─6月GDP速報値」、30日の「6月個人消費支出(PCE)価格指数」を挙げ、数値によっては大きな反応があると指摘した。
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マネースクエア、2022年末までのドル円予想105~115円を維持
マネースクエアは7月26日、「マンスリーアウトルック(2021/8)」の中で、為替相場を以下のように予想した。
マネースクエア 為替相場見通し
2021年末までの 予想レンジ | 直近終値 (7月23日) | |
米ドル円 | 105─115 | 110.550 |
ユーロ円 | 125─138 | 130.130 |
英ポンド円 | 145─160 | 151.980 |
豪ドル円 | 78─90 | 81.434 |
NZドル円 | 73─82 | 77.091 |
カナダドル円 | 83─93 | 87.987 |
上記は6月28日発表の「マネースクエア四季報」をアップデートしたもの。「米ドル/円」の予想レンジは据え置いた。
足元では「米ドル/円」と米長期金利がともに強含み、相関を取り戻しつつある可能性を指摘。今後はコロナ感染状況、景気回復ペース、長期金利の動向などが相場材料になるとした。
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マネーパートナーズ、7月26~30日のドル円は堅調な推移を予想
マネーパートナーズは7月26日、30日までの「米ドル/円」は堅調な推移が見込まれるとするコラムを掲載した。
FOMCは緩和縮小に慎重な姿勢を見せる可能性が高いと指摘。株式にとってポジティブで、リスク選好による円売り継続の可能性が増すとした。
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みずほ銀行、7月26~30日のドル円を109~112円と予想
みずほ銀行は7月26日、「今週の為替相場見通し(2021年7月26日)」の中で、為替相場を以下のように予想した。
みずほ銀行 為替相場見通し
2021年 7月26~30日 | |
米ドル円 | 109.0─112.0 |
ユーロ円 | 129.0─131.0 |
英ポンド円 | 150.7─152.2 |
豪ドル円 | 80.1─82.6 |
「米ドル/円」は高値圏でのもみ合いを予想。FOMCがこれまで通り緩和縮小に慎重な姿勢を変えなければ、特段米ドル売りの材料がなく、「米ドル/円」は110円台後半でもみ合う展開を見込む。
ソニーフィナンシャル、7月26~30日のドル円を109~111円と予想
ソニーフィナンシャルホールディングスは7月26日、「Weekly FX Market Focus(2021/07/26)」の中で為替相場を以下のように予想した。
ソニーフィナンシャル 為替相場見通し
2021年 7月26~30日 | |
米ドル円 | 109─110 |
「米ドル/円」は110円台でのレンジ相場を予想。「米国の利上げ時期」は6月FOMC以来の市場テーマであり、緩和縮小に関してなんらかの発言があっても影響は限定的とみる。
今週はイベントが多いが、大きな変動の要素に欠けるとした。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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