ビットコインはこの数日の20%近い上昇の後、27日はアマゾンがビットコイン決済を開始するとの報道を否定したため、4万ドルの抵抗線から下落した。当記事執筆時点(日本時間28日5時頃)、ビットコインは3万7000ドル前後で取引され、過去24時間で約4%下落となった。
だがその後、ビットコインは値を上げ、日本時間12時30分頃には再び4万ドルを超えた。
「今後、ビットコインは上昇を続け、3万〜4万2000ドルのレンジの上限を試すと予想している。イーサリアムに牽引され、アルトコインも上昇するだろうと暗号資産取引所デルタ・エクスチェンジのパンカジ・バラニ氏はコメントした。
最新価格
28日朝時点での価格は以下のとおり。
●ビットコイン (BTC):3万7896.6ドル、−3.95%
●イーサリアム(ETH):2244.3ドル、−4.27%
●S&P500:4401.5、−0.47%
●ゴールド:1799.2ドル, +0.1%
●10年物米国債:1.238%(26日:1.293%)
バラニ氏は「ビットコインが5万ドルを決定的に超えた場合のみ、新たな資金が流入し、より広い方向への変化のサインとなるだろう」と述べた。
一部のアナリストは、機関投資家が暗号資産全体にチャンスを見出していることから、ビットコインのさらなる上昇を期待している。
「機関投資家はポジションを取るために様子見しているため、現在の市場の動きは週を通して継続する可能性がある」とトレーディング会社ExoAlphaのエリー・ル・レスト(Elie Le Rest)氏は述べた。
暗号資産データ分析会社のスキュー(Skew)によると、26日はこの四半期で最大の取引高となった。
ル・レスト氏は、取引高の増加は5月末からビットコインの明確なトレンドを待っていた大口投資家、つまりは機関投資家が牽引したと述べた。
収益性が回復
データサイトのグラスノード(Glassnode)のデータによると、この数日でビットコインが上昇したことで、200万BTC以上が収益性を回復したという。
ビットコインのドローダウン
ビットコインのドローダウン(6万3000ドル付近の史上最高値からの下落率)はこの1週間で約40%に縮まった。通常、50%を超えるドローダウンは、2014年や2017〜2018年と同様に弱気トレンドの始まりを示している。
現在のドローダウンは、この数日の急激な価格上昇を考えると、ビットコインの中期的な下落トレンドが終息しつつあることを示している。だがドローダウンは70%~80%に向けて、一段と長く続く可能性があり、以前は弱気相場の谷間付近で発生していた。
弱気オプションは減少
スキュー(Skew)によると、ビットコインの1カ月プット・コール・スキューは先週末の13%から2%に、1週間プット・コール・スキューは13%から5%に下落した。
※プット・コール・スキュー:プット(売る権利)のコール(買う権利)に対するコスト
プットとコールのスプレッド(差)が縮小したことは、基本的に投資家が価格下落が続くことを予想していないことを意味する。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stalls After Short-Squeeze Rally