前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/117792/)に引き続き、本記事では以下8社の金融機関およびシンクタンクの為替相場見通しをまとめる。
- 三井住友銀行
- しんきんアセットマネジメント投信
- アセットマネジメントOne
- AIゴールド証券
- 信金中央金庫地域・中小企業研究所
- ニッセイアセットマネジメント
- 農林中金全共連アセットマネジメント
- YJFX!
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年8月2日~8月6日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
三井住友銀行、ドル円の底堅い展開を予想
三井住友銀行は8月2日、「ファイナンシャル通信(2021年8月2日)」の中で、当面「米ドル/円」の底堅い展開を予想した。米長期金利の下げ止まりによる米ドル売り圧力の後退、および日本のワクチン接種率の低さといった円売り要因を理由に挙げた。
ただし、米ドル高・円安が一段と進むには米景気の回復と米長期金利の上昇が求められると指摘した。
しんきんAM、2022年6月までのドル円を102~113円と予想
しんきんアセットマネジメント投信は8月2日、「日本経済の現状と見通し(2021年8月)」の中で、2022年6月までの「米ドル円」を以下のように予想した。
しんきんAM、為替相場見通し
2021年8月~2022年6月 | |
米ドル円 | 102─113 |
米国の長期金利上昇が一服していることを理由に、ドル高・円安圧力は抑制されると指摘。当面の下落を予想した。
アセマネOne、今後1ヵ月ドル円を108~112円と予想
アセットマネジメントOneは8月3日「マーケット・インサイト(2021年8月)」の中で、今後1ヵ月の「米ドル/円」を以下のように予想した。
アセマネOne、為替相場見通し
今後1ヵ月 | |
米ドル円 | 108─112 |
米ドルは対円でレンジ内の推移を見込む。米国のワクチン普及や経済活動正常化は米ドルの上昇要因とするも、FRB(米中銀)の利上げを急がない姿勢を理由に挙げた。
AIゴールド証券、8月ドル円を108~110.5円と予想
AIゴールド証券は8月3日「FX NEWS PRESS(2021年8月号)」の中で為替相場を以下のように予想した。
AIゴールド証券、為替相場見通し
2021年8月 | |
米ドル円 | 108.0─110.5 |
ユーロ円 | 128.0─130.5 |
ユーロドル | 1.18─1.20 |
英ポンド円 | 148.0─153.5 |
豪ドル円 | 79.8─82.1 |
「米ドル円」は110.36円付近で上値が押さえられる展開を予想。7月19日に109.05円まで下落し、その後の戻りが鈍いと指摘。一目均衡表の基準線(8月3日時点で110.36)で上値が重い推移となっており、今後も同値が上値抵抗線として意識されると見込む。
また足元では雲下限付近で推移しており、仮に下抜けた場合、108円付近までの下落を視野に入れたレンジ相場を予想した。
信金中央金庫、2022年4─6月を110~120円と予想
信金中央金庫地域・中小企業研究所は8月4日、「内外金利・為替見通し(No.2021─5)」の中で為替相場を以下のように予想した。
信金中央金庫、為替相場見通し
2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | 2022年 4~6月 | |
米ドル円 | 105─115 | 108─118 | 110─120 |
ユーロ円 | 120─138 | 123─140 | 125─143 |
為替相場は当面、日米金利差が大きく変化しないことを前提にボックス圏での推移を見込む。感染状況の悪化や景況感格差の広がりによっては円や米ドルが買われ、相応の振れを伴う可能性も指摘した。
信金中央金庫地域・中小企業研究所はサブシナリオとして、新型コロナウイルス感染症の再拡大などにより、世界的に経済活動抑制の流れが強まる展開を指摘した。その場合、内外の市場金利は一段と低下し、安全資産に位置付けられる円が買われるとみる。
ニッセイAM、当面の円安基調を予想
ニッセイアセットマネジメントは8月6日、「マンスリーレポート(2021年08月)」の中で、当面「米ドル円」の上昇を予想した。
FRBによる緩和縮小議論の本格化や米国の景気回復を材料に円売り・米ドル買いが進んでいると指摘。原油価格上昇による日本の貿易収支悪化傾向から、今後も円売り・米ドル買い需要が高まると見込む。
農林中金AM、当面ドル円の上昇を予想
農林中金全共連アセットマネジメントは8月6日、「マンスリーレポート(2021年8月号)」の中で為替相場を以下のように予想した。
農林中金AM、為替相場見通し
当面 | |
米ドル円 | 上昇 |
ユーロ円 | 横ばい |
「米ドル円」は、米経常赤字の拡大や日米インフレ格差が円高・米ドル安要因とする一方、日米の金融政策格差および金利差の拡大が円安・米ドル高要因となると指摘。総じて緩やかな円安・米ドル高を予想した。
YJFX!、ドル円の上値が重いとするレポートを公開
YJFX!は8月6日、「竹内のりひろ」氏のレポートを公開した。「米ドル円」の上値が重いとする内容だ。
アベノミクス以降「米ドル円」の7月安値を8月安値が更新した回数は8回中7回あり、夏場は弱含みする傾向があると指摘。季節的に円買いに傾く可能性が高いとした。
また米マサチューセッツで発生したクラスターの74%がワクチン接種済みであったことから、ワクチンによる経済活動再開の前提が崩れたと指摘。米国における金融緩和の長期化が視野に入るとし、米金利が上昇しない可能性を示唆した。
これらから「米ドル円」は上値が重く、108円割れの可能性も指摘した。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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