前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/118738/)に引き続き、本記事では以下6社の金融機関およびシンクタンクの為替相場見通しをまとめる。
- 日本総合研究所
- ソニーフィナンシャルホールディングス
- ヒロセ通商
- SOMPOアセットマネジメント
- みずほ銀行
- マネースクエア
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年8月10日~8月16日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
日本総研、2022年4~6月ドル円を113円と予想
日本総合研究所は8月10日、「為替相場展望(2021年8月号)」の中で為替相場を以下のように予想した。
日本総研 為替相場見通し
2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | 2022年 4~6月 | |
米ドル円 | 106─114 (110) | 108─116 (112) | 109─117 (113) |
ユーロ円 | 125─137 (131) | 125─137 (131) | 127─139 (133) |
ユーロ米ドル | 1.14─1.22 (1.18) | 1.13─1.21 (1.17) | 1.14─1.22 (1.18) |
「米ドル/円」は当面上値が重い展開が続くと予想。FRB(米中銀)の利上げ開始時期の前倒しや利上げペースの加速が織り込まれにくいと指摘した。
ただし2022年以降は緩和縮小完了後に利上げに対する思惑が高まりやすいことから「米ドル/円」に上昇圧力がかかるとした。
ソニーフィナンシャル、ドル円の緩やかな上昇を予想
ソニーフィナンシャルホールディングスは8月11日、「Monthly Global Market Report(2021年8月号)」の中で為替相場を以下のように予想した。
ソニーフィナンシャル 為替相場見通し
1ヵ月 | 3カ月 | |
米ドル円 | 109.0─111.5 | 109.0─113.0 |
ユーロ円 | 127.0─132.0 | 126.0─134.0 |
英ポンド円 | 149.5─155.5 | 147.0─157.0 |
豪ドル円 | 78.0─83.5 | 77.0─86.0 |
NZドル | 75.0─79.5 | 74.5─80.5 |
カナダドル | 86.0─89.5 | 84.8─90.5 |
「米ドル/円」の緩やかな上昇を予想した。各国中銀が金融政策の正常化に向かう中で、日銀が緩和の出口から最も遠いと指摘。日米金利差から「米ドル/円」は上昇していくとの見方を示した。
なお、足元では不透明感から市場が神経質になっており、やや円高圧力がかかりやすいとする。しかし「FRBの金融政策の見通しがある程度明確になってくること」および「ワクチン接種が進み、米国でも死者数が抑制されていることが明確になること」が市場心理を改善し、円高圧力が和らぐことから「米ドル/円」の上昇を後押しするとみる。
ヒロセ通商、8月16~20日ドル円を108~112円と予想
ヒロセ通商は8月13日、「週間展望(2021年8月13日)」の中で為替相場を以下のように予想した。
ヒロセ通商 為替相場見通し
2021年 8月16~20日 | |
米ドル円 | 108─112 |
ユーロドル | 1.15─1.20 |
「米ドル/円」の底堅い展開を予想。米雇用の改善や物価指数の高止まりを受け、9月FOMC(連邦公開市場委員会)における緩和縮小開始の表明に対する思惑から「米ドル/円」が堅調に推移していると指摘。また5,500億米ドルのインフラ包括法案が可決されたことも米ドル買い要因とみる。
しかし8月1日に復活した連邦債務上限から、早ければ9月にもデフォルトに陥るリスクが高まったことは米ドル売り要因とみる。またデルタ株の拡大や米中対立激化も円買いの要因とした。
期間中に注目されるイベントとしては以下を挙げた。
- 17日:パウエル米FRB議長討論会、米7月小売売上高、鉱工業生産
- 18日:日本貿易収支
- 19日:米景気先行指数
- 20日:日本7月消費者物価指数
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SOMPOアセット、ドル円の横ばい圏での推移を予想
SOMPOアセットマネジメントは8月16日、「経済・金融市場見通し(2021年8月)」の中で為替相場を以下のように予想した。
SOMPOアセット 為替相場見通し
2021年 12月末 | 2022年 3月末 | 2022年 6月末 | |
米ドル円 | 110.0 | 110.5 | 110.5 |
ユーロ円 | 129.8 | 131.5 | 132.05 |
「米ドル/円」は横ばい圏での推移を予想した。
米国経済の回復期待やFRBの金融政策の正常化観測は米ドル高圧力とみる。しかし米労働市場の不透明感やFRBが政策変更を早急に行わないとみられること、またデルタ株の感染拡大による景気回復ペース鈍化懸念から米金利が低下していると指摘。「米ドル/円」の上昇余地は限られるとし、総じて横ばいでの推移を見込む。
みずほ銀行、8月16~20日ドル円を109~111円と予想
みずほ銀行は8月16日、「今週の為替相場見通し(2021年8月16日)」の中で為替相場を以下のように予想した。
みずほ銀行 為替相場見通し
2021年 8月16~20日 | |
米ドル円 | 109.0─111.0 |
ユーロドル | 128.3─130.3 |
ポンド円 | 151.0─153.0 |
豪ドル円 | 80.0─82.0 |
「米ドル/円」は堅調な推移を見込む。米7月雇用統計が強く、またFRB高官から早期緩和縮小を思わせる発言が相次いだことを受け、8月26~28日のジャクソンホール会議でFRB議長が緩和縮小に踏み込む発言をするとの見方があると指摘。早期緩和縮小への期待感と米金利上昇観測に支えられ、「米ドル/円」の堅調な地合いを見込む。
マネースクエア、8月16~20日ドル円を108.5~111円と予想
マネースクエアは8月16日、「ウィークリー・アウトルック(2021年8月16日)」の中で為替相場を以下のように予想した。
マネースクエア 為替相場見通し
2021年 8月16~20日 | |
米ドル円 | 108.5─111.0 |
「米ドル/円」の上昇基調を見込む。8月米ミシガン大学消費者信頼感指数が悪化したものの、消費者マインドの悪化は一時的であり、景気への悪影響は限定的とみる。ただし期間中発表される米経済指標によっては市場の反応が大きくなる可能性を指摘した。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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