【市場動向】ビットコイン、価格上昇は一休みか

ビットコインは16日、買い手が疲弊したようで、荒い値動きとなった。当記事執筆時点、ビットコインは4万6000ドル付近で取引されている。

暗号資産の時価総額は16日、5月中旬以来の2兆ドル超えとなった。特にイーサリアムとカルダノ（ADA）は8月月初からビットコインの16％上昇に比べて、それぞれ26％、62％上昇している。リップル（XRP）も同期間に70％上昇した。

急速な上昇から、一部のアナリストは価格の一時的な低迷を予想している。フェアリード・ストラテジーズのケイティ・ストックトン氏は16日のニュースレターでビットコインの疲弊サインに触れた。

イギリスの暗号資産資産ブローカー、GlobalBlockのトレーダーのマーカス・ソティリオウ（Marcus Sotiriou）氏は「トレンドが強気に反転しても、継続する前には引き戻しが予想される。価格上昇に伴って、取引高が現象しているためだ」とコメントした。

ビットコインマイナーの保有残高増加

ビットコインマイナーはこの数週間で保有残高を増やしている。

「残高は6月の流出を回復し、今年の最高値を記録した5月9日の水準に近づいている」とブロックチェーン分析会社CryptoQuantのジャン・ウースタンフェルド（Jan Wuestenfeld氏）はブログに記した。

マイナーは「直近の価格動向に影響を受けていないようだ（おそらくさらなる価格上昇を期待している）。マイナーがこの価格でビットコインを売却するプレッシャーを受けていない事実は、マイナーとネットワークの健全性と回復力を証明している」（ウースタンフェルド氏）。

イーサリアムオプション

イーサリアムオプションの建玉（未決済の契約総数）はスキュー（Skew）によると、40億ドル（約4400億円）を超え、2カ月ぶりの高水準となっている。先週、イーサリアムの3000ドル超えが決定的になったことで、オプション市場はイーサリアムに対して強気になっている。

スキューのデータを見ると、過去数週間のイーサリアムオプションの出来高の減少は、短期的な買われすぎのサインと一致している。オプショントレーダーは、イーサリアムが今月3000ドル超えで推移する確率を64%としている。

コインベースでの取引高

先週、米暗号資産取引サービス大手コインベース（Coinbase）でのインターネットコンピュータ（ICP）の取引高は、価格の50％上昇に伴い、大幅に上昇。またドージコイン（DOGE）の取引高も、再び個人投資家が買いを強め、価格が上昇したことで増加した。自動イールドファーミング・プロトコル、ハーベスト・ファイナンス（Harvest Finance）のトークン「FARM」の取引高も70％上昇した。

またコインベースでのイーサリアムの取引高は依然としてビットコインを上回っており、8月7日はイーサリアムとビットコインの取引高の比率が67：33と大きな偏りを見せた。

イーサリアム（濃いグレー）とビットコイン（薄いグレー）の取引高
出典：Coinbase

アルトコイン状況

●ソラナ、テラが史上最高値を更新：暗号資産の時価総額が5月中旬以来となる2兆ドル超えとなるなか、ソラナ（Solana）のトークン「SOL」とテラ（Terra）のトークン「LUNA」は16日、史上最高値を更新した。これらのDeFi（分散型金融）トークンの上昇は、先週、DeFiプロジェクトのPoly Networkから約6億ドル（約660億円）が流出し、DeFiのセキュリティリスクが露呈したにもかかわらず、投資家がこの分野に注目していることを示している。

●フォビ、7月は収益低下か：フォビ・グローバル（Huobi Global）が7月に焼却（バーン）したフォビトークン（HT）の量は、同取引所の収益が7月、おそらく低下したことを示している。焼却したHTは6月から54％減の2230万ドルとフォビは述べた。焼却は収益と相関しているため、焼却されたトークンの減少は収益の低下を示していることになる。

●ワトフォードF.C.のユニフォームにドージコイン：英プレミアリーグが8月14日に開幕、1年ぶりに復帰した「ワトフォードFC（Watford F.C.）」のユニフォームにはドージコイン（DOGE）のロゴがついていた。これは暗号資産カジノプラットフォームStake.comとのスポンサー契約の一環。スポーツサイトのThe Athleticによると、契約金は約70万ポンド（約1億1000万円）という。

｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：CoinDesk
｜原文：Market Wrap: Bitcoin Rally Expected to Pause

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