イーサリアムは9月1日、1カ月にわたる横ばい状態を抜け出し、今後も上昇を続けそうだ。一方、ビットコインは当記事執筆時点、4万8600ドル付近で取引され、24時間で約3%上昇。一方、イーサリアムは8%上昇した。
「イーサリアムブロックチェーンの動きは強気で、強気相場が再び近づいていることを示している」とイギリスのデジタル資産ブローカーGlobalBlockのトレーダー、アレクサンドラ・クラーク(Alexandra Clark)氏はコメントした。
「最近のNFT(ノンファンジブル・トークン)の盛り上がりは、イーサリアムネットワークの取引高とアクティブアドレスの増加を促し、同時に供給量のデフレ化をもたらしている」(クラーク氏)
ビットコインについては、アナリストらは4万6000ドルと4万8000ドル以上のサポートを確認するために、過去1カ月、減少傾向にあった取引高が増加する可能性に注目している。
最新価格
●ビットコイン (BTC):4万8243ドル、+2.50%
●イーサリアム(ETH):3724ドル、+9.45%
●S&P500:±0.0%
●ゴールド:1814ドル、±0.0%
●10年物米国債:1.302%、−0.003%ポイント
イーサリアムがリード
暗号資産の時価総額全体に占めるイーサリアムのシェアは2019年から上昇しており、現在は20%弱。シェア増加はスマートコントラクトのNo.1プラットフォームとして、暗号資産エコシステムにおけるイーサリアムの地位を確固なものにする可能性がある。
デルファイ・デジタル(Delphi Digital)のアナリストは、3500ドル付近のサポートが維持されれば、イーサリアムは上昇に向けて動き出すだろうと31日、ブログで述べた。また9月は暗号資産にとって季節的に弱い時期になりがちだが、第4四半期(10−12月期)は上昇する可能性が高く、短期的な下落を取り戻すことができると指摘した。
DeFi(分散型金融)トークンも一部のトレーダーが高いリターンを求めてイーサリアムから資金を動かしているため上昇している。
「投資家がイーサリアムを取引所から引き出し、スマートコントラクトに預け入れている20カ月にわたる長期トレンドが続いている」(デルファイ・デジタル)
下図は、ビットコインとイーサリアムにDeFiトークンの最近のパフォーマンスを示している。
ビットコイン建玉増加
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物の建玉は、8月に安定した伸びを見せ、20億ドルに近づいている。ビットコイン先物に対する機関投資家の関心が高まっているサインかもしれない。
先週、大物投資家ビル・ミラー(Bill Miller)氏のメインファンドであるミラー・オポチュニティ・トラスト(Miller Opportunity Trust)は、規制当局への提出書類のなかで150万ドル相当のグレースケールズ・ビットコイン・トラスト(GBTC)を保有していることを明らかにした。
「この種の投資家は、CME先物を通じてポジションをヘッジすることに興味を示す可能性がある」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)は31日にレポートで述べた。
アルトコイン状況
●ChainlinkのフィードがOptimistic Ethereumでスタート:チェーンリンク(Chainlink)の価格フィードがレイヤー2スケーリングのOptimistic Ethereumでスタート。新規および既存のDeFiアプリケーションはレイヤー2に移行可能になった。
●DEXアグリゲーターの1inch、BitPayと統合:暗号資産決済サービスのBitPayは分散型取引所(DEX)アグリゲーターの1inchとの統合を発表した。BitPayのウォレット保有者はシームレスなユーザーエクスペリエンスで最も高い利回りを選ぶことができる。1inchの取引高は650億ドルを超えている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Ether Breaks Out as Bitcoin Lags