暗号資産ソラナ(SOL)は8月、価格が3倍近くになり、マーケットの注目を集めた。投資家はいつの日かイーサリアムブロックチェーンのライバルになるかもしれないソラナの成長に賭けた。
ソラナは8月、195%上昇して108ドル、時価総額は337億ドルとなり、データサイトのメッサーリ(Messari)などのデータによると、時価総額TOP10の暗号資産にランクインした。今年、ソラナは62倍という驚異的な成長を見せている。
同じくスマートコントラクト機能を備えたブロックチェーン、テラ(Terra)の暗号資産テラ(LUNA)も8月、価格が約3倍になり、時価総額は約130億ドルに達した。
複数の指標で代表的な暗号資産をピックアップしたCoinDesk 20では、カルダノ(ADA)が8月、約2倍となり、トップを占めた。次いでポルカドット(DOT)が約75%上昇した。
これらはすべて「イーサリアム・キラー」と呼ばれている。いわゆる「レイヤー1ブロックチェーン」で、安価な取引手数料、強化されたスケーラビリティ、高速なトランザクションを提供し、DeFi(分散型金融)やNFT(ノンファンジブル・トークン)の取引などをサポートするよう設計されている。
イーサリアム2.0とイーサリアム・キラー
イーサリアムブロックチェーンは2022年に「イーサリアム2.0」と呼ばれる大規模なアップデートを予定していることから、さまざまな憶測が広がっている。
ソラナ・ラボのCEO、アナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)氏は「我々はイーサリアム開発者コミュニティの精神を非常に尊敬している。インスピレーションを与え、さまざまな方法で世界中の市場から中間業者を排除するための青写真を描き、DeFiを生み出した。我々は同じ戦いをしている」とCoinDeskに語った。
VC大手のアンドリーセン・ホロウィッツ(Andresseen Horowitz/a16z)やポリチェーン・キャピタル(Polychain Capital)などが支援しているソラナは、ヤコベンコ氏が2017年に設立、スケーラビリティ、安価な取引コスト、速い処理スピードで投資家の関心を集めている。
イーサリアムは、スマートコントラクト機能を備えたブロックチェーンの中で最も活発な開発コミュニティとDeFiが存在し、オープンシー(OpenSea)のようなNFTマーケットもある。だが、混雑と高い取引手数料が問題となっている。
アーケーン・リサーチは「イーサリアムはNFTの熱狂の中で取引手数料が上昇しており、おそらく多くのユーザーが他のブロックチェーンに引きつけられている。しかし、DeFiエコシステム全体では、イーサリアムは依然として明らかなリーダーであり、近い将来、他のブロックチェーンがイーサリアムのポジションを奪う可能性はほぼないだろう」とレポートで述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk 20
|原文:Solana’s SOL Token Nearly Tripled in August as Investors Bet on ‘Ethereum Killers’