ビットコイン、5万1000ドル超え──迫るゴールデンクロス

ビットコインは重要なレジスタンスレベルをクリアし、上昇を続けそうだ。テクニカルチャートには長期的な強気指標、いわゆるゴールデンクロスが現れつつある。

ビットコインは5日、協定世界時での終値が4月から6月にかけての急落のフィボナッチリトレースメントの61.8%にあたる5万1109ドルを大きく上抜けした。

フィボナッチリトレースメント:中世イタリアの数学者フィボナッチが考案したフィボナッチ数列を応用したテクニカル分析手法の一つ。ある期間の最高値・最安値の価格差から、支持線や抵抗線を割り出す。

この上抜けは、さらなる価格上昇をもたらす可能性がある。チャートトレーダーは、サポート、レジスタンス、そして取引チャンスを特定するために、61.8%、38.2%、23.6%のフィボナッチリトレースメントを使うことが多いためだ。

スタックファンズ(Stack Funds)のレナード・ネオ(Lennard Neo)氏は、ビットコインは先週、4万8644ドルと4万9105ドルの重要なハードルを突破したと述べ、この動きは持続しそうだと付け加えた。

「ビットコインが200日移動平均線の上で取引されているという事実は、これらの重要な水準がレジスタンスからサポートに変わったという確信を強めてくれる」(ネオ氏)

「さらに興味深いことに、6日のうち5日は売りを上回る買いの勢いが続いている。これは少なくとも短期的には上昇をさらに裏付けるものだ」と同氏は述べた。

ビットコインは過去2週間、200日移動平均線の上を安定的に推移し、5日の5万ドル超えに向けての基盤を築いた。

2020年5月以来のゴールデンクロス

当記事執筆時点、200日移動平均線(MA)は4万6100ドル付近で安定しているが、50日MAが上昇しており、この先数日のうちに200日MAを上回りそうだ。これはゴールデンクロスと呼ばれるもので、短期MAが長期MAを上回ったときに発生する。

トレンドを追うタイプのトレーダーは、ゴールデンクロスを買いシグナルと見なし、新たな買いを入れる可能性がある。前回、2020年5月にゴールデンクロスが出現したときは、その後11カ月にわたって上昇が続き、価格は9000ドルから6万ドル以上に上昇した。だが、ゴールデンクロスは完璧な指標ではなく、2020年2月と2014年7月にはトレーダーを間違った方向に導いた。

「ビットコインのクジラ(大口保有者)はこの10日間で4万1580ビットコイン(〜20億ドル))を保有高に加えた」

だが、今回のゴールデンクロスは大口投資家による買い集めと取引所のビットコイン残高の減少を示す強気データに裏付けられている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Tops Resistance at $51K as Golden Cross Nears