EY、イーサリアムスケーリングにPolygon採用

世界4大会計事務所のひとつ、アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、レイヤー2ソリューションである「ポリゴン(Polygon)」のプロトコルとフレームワークを使い、同社のブロックチェーンソリューションをイーサリアムエコシステムに展開していく。

同社が13日発表したプレスリリースによると、EYはポリゴンのコミットチェーン・スケーリングソリューションを採用することでトランザクション量を増大させ、顧客に「予測可能なコスト」と決済を提供していくという。また、トランザクションをパブリックなイーサリアムのメインネットに移行させるオプションも用意する。

EYはポリゴンのコミットチェーン、すなわちブロックチェーンのスケーリングソリューションに手を加え、取引検証のための新しいモデルを活用した許可型のプライベートな企業向けチェーンを構築している。

「パブリックなイーサリアムのエコシステムと、オープンスタンダードに対するEYのコミットメントは我々のアプローチを進化させる大きな原動力となった」とポリゴンの共同創業者、サンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwal)氏は述べた。

メインネットへの移行も視野

イーサリアムブロックチェーンは、混雑と高騰する手数料に悩まされ続けている。先月行われた大規模アップデート「ロンドン」は、この問題を解決するための取り組みだったが、これまでのところ、コスト削減の結果はさまざまだ。

スケーリングソリューションは、ビットコインをはじめとする大規模なブロックチェーンの負荷を軽減できると評価されている。例えば、スケーリングソリューションの1つ、Optimistic Rollupを使っているArbitrum(アービトラム)は預かり資金(TVL)が9月初めの2450万ドルから、13日には約22億ドルまで増加し、この1週間で驚異的な成長を遂げた。

EYは、Optimistic Rollupを提供することで、効率性を高め、取引コストを削減できると述べた。また同社の新しい「インダストリーチェーン」は、パブリックなイーサリアムのメインネットとの密接な関係を維持しつつ、企業にクローズドなシステムがもたらす高いセキュリティを提供するとしている。

「ポリゴンとの連携により、EYチームは顧客がトランザクションを拡大するための強力なツールを手に入れ、パブリックなイーサリアムのメインネットに統合するための迅速なロードマップを提供することができる。我々はオープンシステムとネットワークについての優先事項を共有し、イーサリアムエコシステムがこの領域でのコラボレーションをより容易にすることを理解している」とEYのグローバル・ブロックチェーン・リーダー、ポール・ブロディ(Paul Brody)氏は述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Consulting Firm EY to Work With Polygon on Ethereum Scaling