LINEのグループ会社で、ブロックチェーン事業を手がけるLVCが、アートやゲーム、アニメなどのNFT(デジタルデータ)を二次流通させる取り組みを始めた。
LINEの「NFTマーケット(ベータ版)」は、デジタル資産を管理できるウォレット「LINE BITMAX Wallet」内にあるが、デジタルコンテンツを所有するIP(知的財産)ホルダーやクリエイターは9月17日から、NFTアイテムにコンテンツ料金を設定することができるようになる。
IPホルダーやクリエイターは、発行したNFTがLINEのNFTマーケットでユーザー間で売買されるたびに、収益の一部を永続的に受け取ることが可能になる。
NFT(ノンファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。
国内で約8900万人のユーザーを抱えるLINEは、トークンエコノミー構想を掲げ、子会社のLVCを通じて独自のブロックチェーンである「LINE Blockchain」と、暗号資産の「LINK」を開発し、ブロックチェーン上で展開するサービスを作ってきた。LVCは暗号資産交換業者として、暗号資産の取引サービス事業を運営している。
LVCは2020年8月にウォレットの「LINE BITMAX Wallet」をローンチ。今年6月には、ウォレット内でNFTマーケットの運営を始めた。同NFTマーケットでは、出品されたアイテムをサービスごとにまとめて閲覧できる機能も追加された。LINEは今後、NFTマーケットのUIとUXをさらに向上させ、年内にはNFTマーケットの正式版をスタートさせる方針だ。
また、ヤフーを傘下に持つZホールディングスと、LINEは今年3月に経営統合を完了させ、あらゆる事業領域での連携を強化させているが、国内外での成長が期待されるNFT事業においても、LINEとヤフーとの協業が注目されている。
LINEとヤフーは今年の冬をメドに、LINE Blockchain上で発行されたNFTアイテムを「ヤフオク!」で出品・落札できる準備を進めている。これまで、NFTの売買は、暗号資産やブロックチェーンに精通しているユーザーを中心に増加してきたが、Zホールディングスは一般のユーザーが簡単に売買できるNFTマーケットプレイスの構築を目指している。
|テキスト・編集:佐藤茂
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