【市場動向】ビットコイン、4万ドル付近に──FOMC、オプション満期でボラティリティは高まる可能性

ビットコインは20日の下落の後、苦戦が続いているが、当記事執筆時点では4万ドルのサポートレベルのすぐ上で安定しているようだ。アナリストは今週末には下落傾向は終わりに近づくと見ている。

現在、テクニカルチャート上では4万5000ドル超付近に強いレジスタンスがあり、短期的な上昇が制限される可能性がある。今週は22日に米連邦公開市場委員会（FOMC）が終了し、24日に四半期（7−9月期）末のビットコインオプションの満期日を迎えるため、ボラティリティは引き続き高くなる可能性がある。

だが長期的に見ると、ビットコインの上昇トレンドはそのまま維持されている。「長期的な上昇トレンドはまだビットコインに留まっており、我々の月次指標は上方を指しており、短期的なボラティリティを強気の文脈に押し込んでいる」とフェアリード・ストラテジーズ（Fairlead Strategies）の創業者兼マネージングパートナー、ケイティ・ストックトン（Katie Stockton）氏は20日、レポートに書いている。

同氏は、株式、コモディティ、暗号資産などのリスク資産の上昇が止まっているため、アルトコインが主導権を取り戻すことはできないと付け加えた。

相対的リターン

最近の下落にもかかわらず、ビットコインは年初から見ると、株式やゴールドなどの伝統的資産を上回るパフォーマンスを続けている。だが、ビットコインとS&P500の相関関係はこの数カ月で上昇しており、ビットコインは投資家のリスク許容度の変化の影響を受けやすくなっている。

「実際のところ現状の市場の混乱は中国の不動産のみならず、より広範なリスクを反映している。現在のバリュエーションはまだ正当なものか、下落の可能性は高まっていないかなどの声が出てきていた」とドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リード（Jim Reid）氏は21日、レポートに書いている。

ドイツ銀行が先週行った調査では、投資家の約68％は年末までに株式市場は少なくとも5％下落すると予想している。

相対的ドローダウン

下図を見ると、ビットコインのドローダウン（4月に記録した史上最高値6万3000ドル付近からの下落率）は約32％、一方、S&P500は3％となっている。ビットコインのドローダウンはS&P500のドローダウンと同時に発生する傾向があるが、ビットコインは明らかに伝統的資産よりもボラティリティが高い。

この2カ月のビットコインの回復は、最近の下落を考えると短命で、下落は過去2年と同様に株式市場のボラティリティの拡大に先行する可能性がある。

ゴールドは今年、長期的な下落となっており、マクロ経済的な理由から上昇トレンドが弱まったため、ドローダウンは現在は約14％になっている。

実現ロスが拡大

データサイトのグラスノード（Glassnode）によると、21日時点でビットコインの実現純損失は6億5000万ドル。下図は、移動した（＝取引された）すべてのビットコインの実現純損益/純利益を時系列で示している。現在の損失額はビットコインが約3万1600ドルで取引された6月25日以降で最大。

アルトコイン状況

●SECのゲンスラー委員長、「ほとんどの」暗号資産は証券に類似していると発言：米証券取引委員会（SEC）のゲンスラー委員長は、SECは暗号資産業界を規制する「強固な」権限を持っているとの立場を繰り返し強調し、「ほとんど」の暗号資産は証券に類似していると21日、ワシントン・ポストに語った。またSECはイエレン米財務長官の指導のもと、ステーブルコインに関するレポートを作成しているとゲンスラー委員長は述べた。

●資産運用会社オスプレイ、ポリゴンファンドをローンチ：オスプレイファンド（Osprey Fund）は、5つ目の暗号資産投資商品として、ポリゴン（Polygon）ネットワークのネイティブトークンであるポリゴン（MATIC）に投資するファンドをローンチした。「ポリゴンは、高い取引手数料や時間のかかる処理といったブロックチェーンの一般的な問題点を軽減しつつ、イーサリアムブロックチェーンのメリットを生かす破壊的なレイヤー2技術。我々はオスプレイ・ポリゴン・トラスト（Osprey Polygon Trust）を通して、成長するイーサリアム市場にアクセスする新しい手段を投資家に提供できることに興奮している」とCEOのグレッグ・キング（Greg King）氏はプレスリリースで述べた。

｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：CoinDesk
｜原文：Market Wrap: Bitcoin Stabilizes as Risk Appetite Weakens

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