ビットコイン、一時4万1000ドルまで下落──中国、暗号資産を全面禁止【市場動向】

ビットコインは24日、中国人民銀行が暗号資産関連サービスを全面的に禁止すると発表したことで下落し、一時4万1000ドル付近まで下落した。日本時間25日8時時点では、4万3000ドル付近まで回復、だがアナリストは規制強化を受けて、ボラティリティが引き続き高くなると見ている。

取引所トークン、特に中国人ユーザーが大きなシェアを占めるトークンも下落し、フォビ・トークンは24時間で約23%、FTXトークンは約12%の下落となった。

「世界のビットコイン取引高の約10%はオーケーエックス(OKEx)とフォビ(Huobi)が占めている。2019年の中国の規制前は30%だった」とコインシェアーズ(CoinShares)のストラテジスト、ジェームズ・バターフィル(James Butterfill)氏は24日、リンクトインに投稿した。同氏は24日の取り締まりは暗号資産価格全体には大きな影響を与えないだろうと付け加えた。

だが一部のアナリストは中国の規制強化の重要性を強調した。「一気に、実質的に世界の人口の7人に1人が暗号資産市場から公式に締め出された。これまで中国では暗号資産が広く普及していた。完全な締め出しは、きわめて大きな出来事だ」とeToroのアナリスト、サイモン・ピータース(Simon Peters)氏はコメントした。

とはいえ、規制強化は暗号資産にとって目新しいものではない。アナリストやトレーダーは、政府による規制強化を常に注視している。規制強化は市場が不安定な時期にしばしば見られる。

「中国のこうした発表は今回が初めてではない。2013年、そしてICOブーム後の2017年にも同様の禁止措置を行った」と米投資調査会社ファンドストラット(FundStrat)は24日レポートに書いている。

最新価格

●ビットコイン (BTC):4万2426ドル、−5.2%
●イーサリアム(ETH):2913ドル、−7.3%

●S&P500:+0.2%
●ゴールド:1747ドル、+0.2%
●10年物米国債:1.456%

中国、暗号資産を全面禁止

中国人民銀行は、これまで規制のグレーゾーンにあったものを含む禁止項目のリストを発表し、国家発展改革委員会(NDRC)は暗号資産マイニングを完全に廃止する計画を打ち出した。

今回の通知では、銀行や他の金融機関が暗号資産に関連したサービスを提供することが禁止された。さらに規制当局は、暗号資産の取引やマイニングに対して早期に警告を発し、宣伝活動を中止させるメカニズムを確立すると述べた。

規制当局によると、暗号資産マイニングは「時代遅れ」の産業と見なされるという。新たなプロジェクトは認められず、既存プロジェクトには撤退の猶予が与えられる。

イーサリアムは重要なサポートに迫る

イーサリアムは24日、3000ドルを割った。24時間で約8%の下落となった。一方、ビットコインは約5%。

7月からの上昇を再開するには、現在、2735ドルにある100日移動平均線の上のサポートを維持する必要がある。これを割った場合は、2600ドルが重要になる。

サポートを維持できなければ、2000ドルに向けてさらに下落する可能性はあるが、チャートには売られ過ぎのサインが出ているため、短期的に買いが活発になる可能性もある。

下図を見ると先週、米暗号資産取引サービス大手のコインベース(Coinbase)ではイーサリアムの取引高がビットコインを上回った。

アルトコイン状況

SECがテザー社の調査を示唆:米証券取引委員会(SEC)がテザー社を調査している可能性がある。SECは、The New Republicの記者による情報開示への回答によると、テザー社関連の記録は執行目的で収集したものであるため、公開しないとしている。またSECは、執行目的のために記録を非公開にしたからといって、必ずしも捜査などが行われるわけではないと述べた。

チリ中央銀行、デジタル通貨の発行を検討:チリ中央銀行は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討している。同行の検討グループは、2022年第1四半期(1−3月期)のホワイトペーパー提出を目指している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes After China Crypto Ban Sell-Off; Volatility to Remain Elevated